前回は、感情が病の原因となる「七情」についてお伝えしました。
今回は、生じた感情が身体に鬱積しないようにするために、どのように向き合えばよいのかを考えてみたいと思います。
その前に、ひとつ大切なことをお伝えしておきます。
感情は悪いものではなく、むしろ人を生き生きとさせる大切な働きをもったものです。
幼児は切り替え上手
幼児は、何かあると感情を素直に表現します。
恥じらいや躊躇なく感情を発し、気がすむとコロリと気持ちが切り替わります。
感情もまた「気」です。
しっかり味わい、外に出しきることで、自然と流れていくのです。
ここで大切なのは、「素直に味わい尽くす」ということです。
そうすることで、感情が体に鬱積し、体調を崩すことを防ぐことにつながります。
思考と感情
自分にとって不快な感情が生じたとき、ほとんどの場合、同時に思考が働きます。
「なぜ自分がこんなことを言われなければならないのか」
「どうすればこの気持ちは収まるのだろうか」
考えれば考えるほど、感情はかえって強まり、長引いてしまいます。
その結果、感情を押し込めようとしたり、無理に切り替えようとすることもあります。
しかし、そうして抑え込まれた感情は、別の場面で思いがけず噴き出すことがあります。
いわゆる、関係のない人に向かって感情が出てしまうような場合です。
一度生じた感情は、時間とともに消えたように感じても、身体の内側にとどまり続けます。
些細な感情と大きな感情
感情のエネルギーには、小さなものから大きなものまで幅があります。
大きな出来事や衝撃的な体験があると、感情も大きく動きます。
このとき、呼吸は速く、そして大きくなります。
このような場合、自分の内側で何が起きているのかを比較的自覚しやすく、それゆえに対処もしやすいものです。
一方で、人によっては強い刺激に対して意識が閉じ、心と体が分離したような状態になることもあります。
そのような場合、表情が乏しくなり、身体の動きにもぎこちなさが見られることがあります。
また、日々忙しく過ごしていると、些細な感情はそのまま流され、自覚されないまま体内に積み重なっていきます。
こうした無自覚な抑圧が、後に大きな不調として現れることもあります。
その代表的な例のひとつが、女性に見られる月経前の不調とともに現れる感情の乱れです。
感情との向き合い方の提案
自分に生じた感情は、無理に変えたり抑え込もうとするのではなく、
「今、自分が何を感じているのか」に気づき、しっかりと味わうことが大切だと、筆者自身の体験から感じています。
その際には、まず自分の呼吸に意識を向けてみてください。
呼吸に意識を向けることで思考の働きが静まり、感情の暴走をやわらげることができます。
すると次第に、周囲の状況や、自分の内側にある思いや心の傷にも気づきやすくなっていきます。
日々の些細な感情への向き合い方も、基本は同じです。
筆者は一日の終わりに、その日あった出来事と自分の心の状態を静かに振り返るようにしています。
なんとなく心がモヤっとしているときには、あえて気分転換をせず、そのまま呼吸とともに不快な感覚を味わいます。
すると、その日の出来事の中で自分が納得できていなかったことや、気づいていなかった感情や意図が、少しずつ明らかになってくることがあります。
そうした気づきが得られるだけでも、モヤモヤした不快な感覚も、不思議と心はすっきりとして軽くなっていきます。
おわりに
知らず知らずのうちに感情が鬱積すると、呼吸は浅くなり、身体の腹部も筋肉も硬くこわばり、さまざまな不調や病として現れてきます。
普段、無意識に行っている呼吸に意識を向けること。
それだけでも、「気」の流れは少しずつ整い、小さな気づきをもたらし、日々の過ごし方が変わっていきます。
まずは、今この瞬間のご自身の呼吸に、そっと意識を向けてみてください。
当院では、呼吸を通じて自分自身と向き合い「心と体と魂」を統合し、健康で豊かな人生を培っていくための「自分とつながる呼吸瞑想会」を行っております。
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これからも、日々をよりよく生きるためのヒントや気づきをお伝えしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。




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