初めての方へ

一の会 鍼灸院では、日本の伝統的な鍼灸医学(東洋医学)を大切にしています。
それは中国を源流にしながらも、日本人の体質に合うよう独自の発展を遂げてきたからです。

鍼灸医学とは、からだ全体の「気」の偏りを調整し、人に本来備わっている自然治癒力を高めて痛みや病気を治していく
のです。痛む所や患部に直接鍼を施すだけでは、本当の意味での治療効果は望めません。

また、人が生きていく上で切り離すことのできない気候風土、地域社会・家族との関係、食習慣や生活習慣などの環境、
さらに湧き起こる感情、人生上の目的や信念などとの関係性も重要視しています。

初診時のお願い

一の会 鍼灸院では、患者様の病歴や日常の生活習慣、お身体を取り巻く環境等をおうかがいする「問診」をとても大切にしています。
そのため、初診時は2時間ほど診療に時間をいただきますので、ゆとりを持ってお越しください。
(再診時の治療時間は通常 30分から1時間前後です。)

  • 現在服用されているお薬や健康食品がございましたら、それらの内容がわかるものをご持参ください。
  • 今まで大きな病気をなさったことがある方は、病気の内容とその時期をまとめておいてください。
  • お顔や爪の色、舌の苔(こけ)の状態等も拝見いたしますので、できるだけお化粧やマニキュア等はなさらずにお越しください。
  • 治療の前にコーヒーやジュース、カレー等の舌に色がつくものの飲食、あるいは舌のコケを取るブラシの使用はお控えください。
  • 診察や治療の際に、背中や腹部、脚部(ひざ下)等を拝見いたしますので、なるだけ軽装でお越しください。または、短パン・Tシャツ等をご持参いただけますと助かります。
  • 予約時間に間に合うように急いで走ったりして来院されますと、気が乱れて正確な診断ができなくなる恐れがあります。来院当日は、お時間に余裕をもってお越しください。
  • 身体を締め付けるガードル等の下着は、診断や診察に支障をきたす恐れがありますのでご遠慮ください。
  • 治療直前の飲食や入浴は、本来の身体の状態とは異なる様相を呈することがあります。診断に正確を期すため、できるだけお控えください。

初診時の流れ(所要時間2時間)

  1. 「問診表」をご記入いただき、それに基づいた問診を行います。

    現在お悩みの症状についてはもちろんのこと、日頃の食生活や生活習慣などをさまざまな角度から把握するために、まずはアンケート形式の「問診表」に、現在の状況をご記入いただきます。
    その後、スタッフが患者様の体質や症状の原因をより正確に把握するためにお話を伺い、情報を収集させていただきます。

  2. 東洋医学独自の診察法(舌診・脈診・腹診など)を行います。

    問診後は、診療ブースにてお顔の色、舌の色や苔(こけ)の状態、脈の強弱や打ち方、爪の状態、手足や背中の経穴(ツボ)の状態、腹部の状態等を多面的に診察します。
    問診でお伺いした情報と、お身体から読み取れる情報を合わせて、現在のお体の状況を東洋医学的に診断し、治療方針を立てます。

  3. 治療~安静休憩。

    治療方針を決定後、鍼(灸)を使った治療を行います。使用する鍼はすべて滅菌された使い捨てタイプですので、感染症などの心配はございません。また、髪の毛ほどの非常に細いものを中心に使用しますので、痛みは感じにくくなっております。 (痛みの感じ方には個人差があります。またお身体の状態によっても変化します。)
    鍼を刺す経穴(ツボ)は1~3カ所です。
    ※一の会 鍼灸院では、電極などの機器は一切使用しておりません。治療は全て手技にて行います。

  4. 現在のお身体の状態と治療内容、今後の治療方針や養生方法をご説明します。

    治療終了後、現在のお身体の状態と治療内容について、今後の治療方針や治療頻度等を含めてご説明いたします。
    また、お身体の状態をよりよく保つための方法や、日常においてご自身でできる養生法などについてもアドバイスさせていただきます。

治療の特徴

伝統的な診断技術と 最少の鍼を用いて 全身の「 気 」の量と偏りを調整

一の会 鍼灸院の鍼術は、一般的に行われている鍼治療とは趣きを異にしています。
痛む関節や筋肉に直接鍼を刺したり、電気を流したりといったことは行いません。

伝統的な診断技術(脈診・腹診・舌診・背候診など)を用いて、全身の「気」の状態を多面的に読み取り、鍼を施します。

日本の鍼灸医学は、中国を源流としながらも日本人の体質に合わせて、ほんの僅かな刺激で最大限の効果が得られるよう、独自に発展してきました。
病の本質をとらえて「気」を補い、また「邪気」をはらうことで全身の気の偏りを調整し、結果として痛みや病気を改善します。

自然治癒力を高めるには、パルスなどの機械は本来必要ありません。
数本の、細くてやさしい鍼で十分効果があります。

人生に対しても積極的に

自然治癒力が高まると、体の痛みや違和感がなくなるだけでなく生きる楽しみや意欲が高まり、人生に対しても積極的になります。

私たちは、ひとりひとり異なる人生上の目的や信念、感情、毎日の生活習慣、家族や人・自然との関わり方などと、病気との関係性を重視しています。

「からだ」が充実すれば、「こころ」は安心できます。
「こころ」に安心が訪れれば、「からだ」は充実していきます。

慢性的症状や病の出口が見えない、言葉では表現しがたい辛い症状でお困りの方は、ぜひご相談ください。

お身体の状態と共に病因を分かりやすく説明します

一の会 鍼灸院では、いま現れている最もつらい症状をしっかりとお聞きした上で、それらにとらわれず『こころとからだ』をひとつのものとして全体的・全⾝的に捉えます。そして全身をくまなく診察して病因となっているところをしっかりと見定め、1~3本程度の鍼を施します。
 『万病はすべて気のうっ滞(停滞・偏り・アンバランス)』ととらえ、心身のあらゆる疾患に対応できるのが伝統鍼灸医学の特徴です。

 実際の診療においては、顔色と舌の色や苔の状態ををうかがい、手首の脈を診、手足と腹部・背部に触れて診察しますが、基本的には着衣のまま楽に鍼を受けて頂くことができます。(状況によっては、診察時に軽装になって頂くことがあります。)

 初診時には、病因を一点にしぼりきるために、時間をかけてこれまでの心身の状態を詳しくお尋ねいたします。
 その後に治療ブースにて詳細に全身を診察した上で、鍼を施します。
 初診はおおむね2時間程度、再診は30~60分のお時間を頂戴しております。
 初診診療が終わりましたら、お身体の状態と共に病因を分かりやすく説明し、ご自身でできる日常生活の注意点や養生法を十分ご理解いただけるまでお話いたします。

施術後の注意点

よくあるご質問

鍼(針)は痛くありませんか?

当院の鍼治療では、太さ0.14mmから0.2mm前後の極細鍼(針)を使用しております。そのため、痛みは感じにくくなっています。
鍼(針)と言えば、注射針をイメージされる方が多いと思います。注射針は先端に刃をつけて皮膚を切りながら刺入するので鋭い痛みを感じます。
一方、鍼灸治療で使われる鍼は、尖端が卵のように丸くなっているので、組織を押しのけるように皮膚に入り、痛みはほとんど感じないよう工夫されています。
ただし、痛みの感じ方には個人差があり、お身体の状態によっても変化します。

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お灸はどんな時にするのですか?鍼(針)とお灸の効果はどう違うのでしょうか?

一の会鍼灸院では鍼を主体として、お灸は補助的に用いています。
鍼とお灸の共通点は、ともに「気」を動かす道具であるということです。
鍼には”正気”を集めながら”邪気”を抜いていく、というような複雑な操作を特殊な手技で行えるという利点があります。
一方、お灸は”正気”が極端に弱っていたり、冷えが強い場合に用いて、弱った”正気”を鼓舞させたり、冷えを取り去ることに優れています。

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熱がある時に鍼灸治療を受けても大丈夫でしょうか?

鍼治療には問題ありません。
風邪からくる熱はもちろんのこと、扁桃炎・中耳炎、化膿性の疾患からくるもの、体温計では異常がないにもかかわらず、身体がほてったり、身体の芯が熱くて落ち着かない・・・など、多様な状態に対応できるのが鍼治療の特性でもあります。
また当院では、身体が大きく”冷え”に傾いていたり、”気”を鼓舞する時にお灸を用います。したがって、身体が“熱”に傾いている人には、まずお灸をすることはないと思われますが、お身体の状態を診て判断いたします。

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鍼(針)の消毒はどうされていますか?

鍼(針)は滅菌済みの使い捨て鍼「ディスポ鍼」を使用しており、感染の心配は全くありません。
また、一時的に鍼を置いておくシャーレ(鍼皿)も使い捨てタイプのものを使用しています。

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鍼灸治療を受けた後、どのようなことに気をつけたらよいですか?

治療を受けた後は、気持ちも身体もゆったりとさせておくこと。そうすることで、体内外の気のめぐりが整い、治療効果をもっとも高めることができます。
治療後すぐに激しい運動をしたり、感情をたかぶらせるようなことはお勧めできません。
また、治療直後の入浴も避けてください。少なくとも2時間程度、時間を空けていただくのが望ましいです。

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生理中に鍼灸(針灸)治療を受けて大丈夫でしょうか?

問題ありません。女性の場合、生理の前後で身体が大きく変化します。その変化を診させていただくことは病態把握に大きく役立ち、治療にも反映させることができます。
また、出血の量が特に多い、生理がダラダラと続いてなかなか終わらないといった症状や、生理に伴う不快な症状も、治療によって改善・軽減が見込まれます。

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お灸の痕が残ったりしませんか?

お灸の大きさは、おおむね米粒の半分くらいの大きさで、銀紙でできた灸点紙の上に施灸します。お灸の痕(灸痕)は全く残りません。熱さもほんの一瞬チカッとする程度です。

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鍼灸(針灸)治療の効果はどのくらいであらわれますか?

鍼灸治療の効果は、早い人であれば鍼をした直後に実感していただけます。
急性の病(病の歴史が浅い)であれば、治療効果もすぐに現れることが多いです。
ただし身体の”正気”が弱っている場合や、発病してから長期間を経過し慢性化している(病の歴史が深い)場合は、徐々に効果を実感される方が多いです。

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鍼灸(針灸)治療の通院頻度と期間はどのくらいですか?

当院では、おおむね週一回のペースで治療を受けることをお勧めしております。
軽い症状であれば、2〜3回の通院治療で改善することが可能です。治癒の流れに乗った頃合いを見て、2週間〜3週間に一回のペースに変更いたします。
治療期間は、慢性病であっても3ヵ月程度で改善される方がほとんどです。
ただし、患者様の”正気”の状態、環境や生活習慣、年齢などによって長期間の通院治療が必要な場合もあります。

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最近なんとなく疲れやすい、眠りが浅いといったこと以外に、これといった症状はないのですが…。

健康診断や検査で異常が見つからなくとも、東洋医学的な視点に立てば、いち早く身体の声を聴いて治療をすることができます。
これは『未病の医学』としての東洋医学の最もすぐれた点です。
なんとなくおかしいな…と思った時点で治療を受けることで、大きな病気を未然に防ぐことも可能になります。

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乳幼児や小児も、鍼を受けることができますか。

可能です。乳幼児の場合は、身体に鍼を刺すことは致しません。太くて先を丸くした金属の棒(鍉鍼)を体に接触させたり、押したり、擦ったりといった優しい刺激で治療します。あるいは少し離れたところから翳す(かざす)といった方法でも十分な効果を得ることが出来ます。また鍉鍼(ていしん)の代わりに小児鍼と呼ばれる道具を使用することもあります。
小児の場合も乳幼児に準じます。年齢が上がるごとに、大人と同様の治療に近づけていきます。

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東洋医学の診察法「四診」とは?

「四診」とは「望診(ぼうしん)」「聞診(ぶんしん)」「問診(もんしん)」「切診(せっしん)」のこと。これらの診察法はさらにいくつかの方法に分かれます。

■望診(ぼうしん)
少し離れて患者さんの様子を観察し、大きく見えるか小さく見えるか、しぐさや動作の速さなどを観察します。
また、顔面にあらわれる色によって五臓の状態を診ます。爪や皮膚の色艶などからは、気血の状態やストレスの度合いなどを察します。舌の表面の状態からは主に胃腸の状態と気血の過不足を、舌の裏の舌下静脈の状態からは血の鬱滞の状態と瘀血(おけつ)の存在を察します。

■聞診(ぶんしん)
患者さんの声の強弱、大小、清濁などの調子から正気の状態を察します。
また体臭・口臭など嗅覚から得られる情報は、身体が熱に傾いているのか否かの重要な判断材料となります。

■問診
初診時などに患者様に記入していただく問診票を見たり、患者様から直接話をお聞きして、必要な情報を収集すること。
単に症状を聞くだけでなく、身体全体の寒熱・虚実と五臓六腑の状態を知るために、問診者が意識的に質問をして、症状の根になっている部分をつかまえます。

■切診
「切」とはぴったりと触れること。実際に患者さんの身体に触れて、冷たいところと温かいところのアンバランスや、緊張している場所とその深さなどを診ます。
手首の脈をとる「脈診」、腹部を触る「腹診」、経穴(ツボ)や気の流れを診る「経穴診」「背候診」、手足の冷え等を診る「触診」などが「切診」です。

当院では、この「四診」を行うことによって、身体全体をくまなく診察し、実際に患者さんの身体に触れて得た情報と、その他の情報を総合して「証」を立て、治療を行います。

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