日々のしおり

疲れが取れない・朝が起きられない…

その原因、夜ご飯にあるかもしれません

「最近、なんとなくだるい」
「朝がつらくて起きられない」
 そんなお悩みを抱えて来院される方が、意外と多くいらっしゃいます。

 先日も、そのようなご相談で来院された患者さんがおられました。
 舌を拝見すると、いつもより厚い舌苔が見られます。さらにお腹を診させていただくと、胃のあたりに抵抗が感じられました。

 そこで、
 「夜ご飯が遅い時間になったり、食べ過ぎたりすることはありませんか?」
とお尋ねすると、

 「実は毎晩そうなんです。」とのことでした。

 東洋医学では、このような状態を**「食滞(しょくたい)」**と呼びます。
 文字どおり、食べたものが胃の中で滞ってしまっている状態です。

なぜ夜に食べ過ぎると眠りが浅くなるのでしょうか

 東洋医学には、**「衛気(えき)」**という考え方があります。

 衛気とは、身体を守り、生命活動を支える「気」の一つです。

 昼間は身体の表面を巡って活動を支え、夜になると身体の深部である丹田へと収まり、身体を休息へ導いていきます。

そのため、
 ・朝は衛気が身体の表面へ巡ることで目が覚める
 ・夜は衛気が丹田へ収まることで眠気が訪れる
という一日のリズムが生まれます。

 ところが、夜に食べ過ぎると胃の中に未消化の食べ物が残り、「食滞」の状態になります。
 すると、本来であれば丹田へ収まるはずの衛気が十分に収まりきれず、身体は深い休息へ入りにくくなります。

その結果、
 ・眠りが浅い
 ・夜中に何度も目が覚める
 ・朝起きても疲れが取れない

といった症状につながることがあります。

「昼は食べない」が、夜の食べ過ぎを招く

 この患者さんに詳しくお話を伺うと、「昼は忙しくて、ほとんど食べられていません。」とのことでした。

 これは、臨床でもよく見られるパターンです。
 昼食の量が少ないと、夕方から夜にかけて強い空腹感が生まれます。その反動で夕食を食べ過ぎてしまい、胃に負担がかかる。
 そして翌朝も胃が重く、食欲が湧かない。

 この悪循環を繰り返してしまうのです。

私がお伝えしたアドバイス

 夜の食事を急に減らそうとする必要はありません。
 まずは昼食を少しだけ充実させることから始めてみてください。

 昼にしっかり食べるようになると、夜の強い空腹感が自然と落ち着きます。すると夕食の量も無理なく減り、胃への負担が軽くなります。

 その結果、眠りが深くなり、朝の倦怠感も改善しやすくなります。

まとめ

「疲れが取れない」
「朝が起きられない」

 そんな症状は、睡眠時間だけの問題ではなく、食事のタイミングや量が影響していることも少なくありません。

 東洋医学では、身体に現れているサインと日々の生活習慣をあわせて診ていきます。

 「なんとなく身体が重い。」
 「朝から疲れが残っている。」

 そんな方は、一度ご自身の夕食の時間や食べる量を振り返ってみてください。

 毎日の小さな習慣を見直すことが、健やかな朝への第一歩になるかもしれません。

 東洋医学は、病気だけを見る医学ではありません。日々の暮らしの中にある小さな習慣を整えることで、本来の健やかな身体を取り戻していく医学でもあるのです。

自宅近くでふと目に留まったネジバナ

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