「息がぐんと入りやすくなった!」「深呼吸ができるようになった!」
意外にも、鍼をするとその場で変化を実感されることが多いのが、「呼吸」。
発声を習っているある患者さん。
先生の前で発声練習をした時に、鍼の前と後で声の出方があまりにも違ったようで
歌の先生がびっくりしていた、ということがあったそう。
他にも、数日前から咳が止まらないという患者さん。
話を聞くと精神的に落ち込む出来事があったようで、
お腹を触ると、みぞおちの部分がきゅっと閉じていた。
体験したことがある人も多いと思うが、
思い悩んだとき、あれこれ考えていっぱいいっぱいなとき、胸が苦しくなる。
気持ちがぎゅっと塞がると、その緊張は身体にも現れ、
みぞおちの硬さとして表れることがある。
「このみぞおちの硬さが緩めば、咳は止まるだろう」と見当をつけ、
気が外向きに晴れて巡るように鍼をすると、お腹もフッと緩み、
それ以後、咳が治まった、ということもあった。
ポイントは、みぞおちや肋骨弓のあたりが硬くなっていること。
東洋医学では、この硬さを「巡りが滞っているサイン」の一つと考える。
これが、ふわっと緩んで柔らかくなると呼吸が入りやすくなる、という事がよくある。
鍼をするときは、問診や脈の状態も併せて考えて、使うツボを選ぶ。
気の巡りが滞っているのか、それとも身体の中に余分なものが流れを邪魔しているのか。
見立てが合っていると、時には一本でこの滞りが解消され、
途端に硬かったみぞおちや肋骨弓のあたりが緩むこともある。
身体が無意識にでも緊張していると呼吸が浅くなる。
「深呼吸がしづらい…」「普段から息が浅い感じがする…」「胸がつかえている感じがする…」
身体から緩めることで、このような悩みにもアプローチできる。
呼吸の悩みではなくても、呼吸が変わると、身体に出ている不調も変わっていく。
「呼吸が変わるだけで、こんなに身体って楽なんだ。」
そんな変化を感じてもらえることが、鍼では意外と多いです。
自然の中に行くと、思わず深呼吸してしまうように、身体がリラックスすると呼吸も自然と深くなります。
そして、毎日当たり前にしている呼吸だからこそ、変わると身体は想像以上に楽になります。
呼吸の浅さは、単なる「呼吸の問題」ではなく、身体全体からのサインであることも多いのです。
東洋医学では、そのサインを身体全体から読み取り、整えていきます。
同じようなお悩みをお持ちの方の参考になれば幸いです。




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