日々のしおり

【東洋医学で考える、心と身体のつながり】

酒井 つぐみ

「食欲がなくって、夜も眠りづらいんです・・・」
そう言って、先日来院くださった患者さん。

詳しくお話を聞いてみると、悲しいことがあったのがきっかけのようだった。
思い返せば、幼少期から感情を出すことが苦手だった、と。

問診を終え、脈やお腹・背中の状態を診ていく。
身体に緊張があり、それによって身体の中の流れも滞っている。
それが食欲の低下や眠りづらさにもつながっているのではないかー。

そして、感情を出すことが苦手、というお話と併せてみると、身体の緊張があるぶん、心も緊張し、ぐっと感情を抑えているようにも見えた。

この日は、胸の詰まりをゆるめ、滞っている身体の流れを整えること、
そして緊張している身体がゆるむように意図して3本の鍼をした。

硬かったお腹がふわっと柔らかくなり、脈も強張りが取れて柔らかい手触りになったのを確認してその日は施術を終えた。
その後日、「なんだか意欲がわいてきて出かけるようになったり、感情を出しても自分を許せるようになってきました!」と、お話してくださった。

身体が変わったことで、自分自身の心の状態にも気づけた。
この言葉をいただいて、改めて「心と身体はつながっているんだな」と実感した。

東洋医学では「心身一如」というように、心と身体は一つのものという考え方がある。
これは古武術にも通じる考え方。
緊張しているとき、頭で「リラックスしよう」と思っても、なかなかうまくいかない。
そんなとき、身体の方から緊張をゆるめる。
すると、心までふっと軽くなることがある。

心と身体は切っても切り離せないもの。
だからこそ、見えやすい症状だけでなく、その身体症状の背景にある「心」の状態も含めて、その「人」自身を知ることが大事なのだと思います。
今回の出来事を通して、そんなことを学ばせてもらった出来事でした。

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