日々のしおり

風邪と熱中症

診察室の窓

 最近、2週間ぶりに来院された方が、6月の後半に風邪を引いた後に、熱中症になったというではありませんか。

 筆者、もうびっくりしました…なんで?

 経過を良く聞くと、風邪と熱中症、どうも違うんですね、これが。

 

 みなさま、ど緊張して手足が冷たくなったという経験ありません?

 あれです。

 色々と問いますと、緩慢な緊張が続いていられたことが、主な原因となっておられたのです。

 

 少し、詳しく書きますね。

 風邪は、扇風機の風が何となく肌寒く感じて、冷房下では肌が冷たくなっておられたそうです。

 それにもかかわらず、どこか熱い…

 そうこうしているうちに、身体がだるく大量の鼻水が出てきたので、これは風邪だと思われて外出をあきらめて、休もうと決められたのだそうです。

 その直後、激しいめまいと頭痛で立っていることが出来ずに倒れ、続いて悪心・嘔吐されたそうです。

 傍らにいたご主人が、こりゃ熱中症だ!と判断されて粉のポカリを水で溶いて大量に飲ませてくれたことで、しばらくして徐々に症状は緩解していったそうです。(よかったですねぇ~)

 その後もポカリを飲み続け、それまで便秘傾向であったものが、やっと改善され、小便もよく出るようになったとのことです。

 ここまでが発症までの経過です。

 

 そこでね、患者さんに「非常に緊張したり、思い煩うようなこと」がありませんでしたか?と問いました。

 すると、ある方のお祝い事で、何を贈るか色々と考えあぐんでいたこと。

 実際にお会いして、非常に緊張したこと。

 その後も、贈った品に対してご相手の方が、どのように感じておられるかを、ずっと気にしておられたことなどが浮かび上がってきました。

 筆者、なんか、取り調べの刑事さんみたいですねぇ~ (^.^)

 

 そしてこの緊張で、体表に向かうはずの熱が、体内にこもってしまわれたのですね。

 

 まあ、とにかくポカリ水で冷やし、甘味で緊張を緩めたことで大便と共に体内の熱も排泄されて危機を脱せられたということです。

 そして来院当日、首と肩の痛みが現れておられてます。

 体内の熱は便と一緒に出たんだけれど、緊張・葛藤がまだ残っていることの現れです。

 

 患者さんがおっしゃるには、「先生、これが四十肩なのでしょうか?」とおっしゃるくらい可動制限もあります。

 そこで筆者は、ここしばらく雨が続いていますが、雨天時になって一気に症状が厳しくなってませんか?と問いますと、まさにそうでした。

 おそらく、甘味の影響による、体液循環不全のためでしょう、特有の鈍痛・重だるさを伴っておられます。

 

 さて、ここまで書いて来まして、みなさまに最もお伝えしたいことがあります。

 熱中症にしても肩首の痛みにしても、背景には生きていく上での諸問題が必ず横たわっているということです。

 これを、筋肉や骨格のゆがみであるとか、はたまた神経の問題にしてしまいますと、起きている現象の本質から目が離れてしまいますよね。

 そうしますと、根治しないばかりでなく、ご自身の精神性や霊性と向き合うことができなくなってしまいますよね。

 

 すべての病が、このようであるとは申しません。

 ですが身体は、自分の心はもちろん、自分が関わっているすべての関係性(霊性)が現れるのだという視点をお持ちくださればと思います。

 そうしますと、禍であった病が、転じて大きな福となります。

 また鍼灸医学は、このような医学であることも、併せてご承知くだされば、幸甚です。

 ちなみに、使用しました経穴は二穴で、たちどころに回復されています。

 

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