先日来てくださった患者さん。膝と肩の痛みを訴えてご来院くださった。
整形外科では、肩の痛みに関しては「骨に棘ができていて、それが痛みになっているのかも・・・?」と。
東洋医学では、肩の痛みも膝の痛みも別々で診るのではなく、身体全体をひとつとして、気のバランスを診ていく。
肩と膝の痛み・・・全く違う場所であるが、根本の原因は一つであると考える。
お話を聞いたり、身体を診みていくと、「上半身に気が集まって、下半身の気が不足になっている」状態が見えた。
背中を触っても、上の方が張っていて、腰に行くにつれ筋肉がゆるゆると力がない感じ。
つまり、上のほうに気血が滞っている一方で、下のほうには十分に巡っていない。
その身体全体の偏りが、肩と膝、それぞれの痛みとして現れているのではないかー。
ということで、膝や肩に直接鍼をしなくとも、この身体のバランスが整えば、膝も肩も状態が変わるはず。
背中の「神道」というツボに一本。気の停滞を取るように鍼をした。
この一本で力がなかった腰の様子がガラッと変わり、腰に力が出てきた。
次に、頭のてっぺん「百会」というツボ、そして足の「足臨泣」というツボに一本ずつ。
この時点で上に集まっていたものが下にも巡り始め、身体全体のバランスが変わってきたようだった。
ここで、肩の痛みや膝の痛みの様子を聞いてみると、
棘ができていて痛みがあるのかも…と診断されていた肩の痛みは完全になくなり、
膝も「後ろが少し突っ張る感じはあるけれど、痛みはない」とのこと。
そして、最後に使った「内関」という手のツボ一本で、残っていた膝のツッパリも無くなったようだった。
「肩とか膝を全く触ってないのに、不思議ですねえ・・」と患者さん。
全く同感だった。笑
東洋医学では、症状が出ている場所に囚われず、全体のつながりの中で症状を診る。
つながりの中で症状をみれば、出ている症状がバラバラと…ではなく、関連性をもっていることが分かる。
症状の「枝葉」だけを見るのではなく、その奥にある身体全体のつながりを見ると、一見痛みとは関係のない場所に症状につながる身体の状態が見えてくることがある。
それが、東洋医学で身体を診る面白さのひとつだと、改めて感じた出来事でした。





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