前回、漢方生薬に使われる吸血虫類の「気」に付いて書きましたが、古代人の意識状態が、私たち現代人と大きくかけ離れていると感じられたのではないでしょうか。
前回の投稿 「死んでも残る気」
現代では漢方薬も、保険適応となって病院でも処方されていますが、漢方薬の本領を発揮するには、やはり「気」という視点から鍼も漢方もとらえることが大事です。
現代医学と東洋医学は、全く異なる世界観で出来上がった医学ですから、本来は、東洋医学的な診察・診断方法を用いて処方すべきものです。
さて、「気」の世界観から、今回は「水」を取り上げてみました。
漢方薬名の最後に「湯」とついているのは、生薬を水で煎じます。葛根湯などがそうですね、生薬を水で煎じます。
「散」とついているものは、生薬を粉末にして服用するもので、「散」という文字の通り、すぐに効果が現れる目的で作られます。
「丸」とついているものは、長時間にわたって効果を持続させる目的のもので、粉末にした生薬を米糊やはちみつで練ります。
ですから「湯」は、効果の時間という視点で「散」と「丸」の中間となります。
それぞれ、やはり「気」という視点で作られています。
さてさて、「水」ですね。
漢方の聖典・傷寒雑病論の中に、「奔豚(ほんとん)」という病が記載されているのですね。
どのような病なのかというと、下腹部に動悸があり、そこからまるで子豚が駆け上がって来るかのような感覚があり、気の塊(子豚)が、みぞおちや胸で詰まってしまい、息苦しい・嘔吐・頭痛など、死にそうなくらい激しい症状を現します。
方剤は、茯苓桂枝甘草大棗湯を用いるのですが、このお薬を煎じる時は、甘瀾水(かんらんすい)を用いるのだそうです。
甘瀾水(かんらんすい)は、水を浅い盆に入れ、柄杓ですくい上げて流し落とすという動作を何度も繰り返し、水に空気玉が良く入るようにしたものだそうです。(筆者は、行ったことがありません)
この甘瀾水(かんらんすい)、いったいどんな意味があるのだろうと思って探していると、同じく漢方薬を服用するときに「新汲水(しんきゅうすい)」を用いるというのを見つけました。
「新汲水(しんきゅうすい)」って、いったいどのようなものなのでしょう。
甘瀾水(かんらんすい)と、どのように「気」が異なるのでしょうね。笑
つづく
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