この記事について
ご自身の心身に起きていることをどのようにとらえるかで、変わってくる現実があります。また、ご自身に対する理解が深まりますと、人生の景色が変わり、より豊かに生きていくことができます。
先日、当院にお越しくださった50代の方とお話をしている中で、たまたま子供の頃のご両親とのかかわりに話が及びました。
この方、腰痛をはじめ排尿に勢いがない、声が出にくい・喉がしまるといった症状をお持ちになっておられたのですね。
幸いなことに、お身体の元気が弱っているので はなくて、 上半身に昇ったままになってしまったエネルギーが、下半身に降りてこない単純なアンバランス状態でした。
いわゆる程度のきつい「のぼせ」と言われる状態です。
エネルギーが上に突き上がって喉や胸で詰まってしまっているので、 声が出にくい・喉がしまる と言った症状が現れているのですねぇ。
一方の下半身のエネルギーは、降りてこないのですから相対的にエネルギー不足となって、腰痛や排尿の勢いが悪いといった症状が出ておられたのです。
つまり、心身のエネルギーがいつも上半身に昇ってうっ滞して、下半身のエネルギーが相対的に不足して、アンバランスな状態が原因しておられるのですね。
そこでこのエネルギーのアンバランスを起こしている原因を突き止める必要が出てきます。
鍼でエネルギーのアンバランスを整えても、また元に戻ってしまう恐れがあるからです。
そこで、お仕事の日常の状態をお聞きすると、常に何かをしていないと気が済まない性分で、ヒマであったりボーっとすることが大の苦手とおしゃいます。
そこで先に触れましたご両親とのかかわりに話が及んだという次第です。
この方はご次男様で、お兄様は、やんちゃな方だったそうで、いつもお兄様が叱られているのに比べて、この方は勉強の良くできるいい子だと、いつも母親から褒められていたそうです。
そしてこの方がおっしゃるには、お母さまから褒めてもらうと、褒めてもらった通り良い子にして成績という形で結果を出さなくてならなかったので、それはそれで大変だったとおっしゃいます。
このことが、この方の今の意識状態にまで及んでいると、今回初めてはっきりとご自覚されたご様子でした。
お仕事においても、良い人をしながら常に結果を出さなくてはならない状態ですね。
しかしながらこの方、持ち前の勤勉さの甲斐があり、社会的には高い評価を得ておられますし、それに応じた地位にも就いておられます。
さらにこの方がおっしゃるには、小さなころからずっとこのような感覚で生きてきたので、今の状態がつらいとかおかしいとかっていう感覚は全くなくて、これが当たり前の感覚でしたとおっしゃいます。
このことに改めて気が付かれたとのことで、これからはご自身の心身にゆとりと豊かさを感じながら生きることにしますとおっしゃられました。
鍼は、身体のエネルギーバランスや流れを調整することができますので、主訴となった症状はほぼ消失されておられます。
しかもご自身の心の習慣に気が付かれたことで、意識状態がすでに変化しておられるので、もう再発はされないだろうと思います。
身体は生命の現れであると同時に、魂の器でもあります。
心と魂の状態にしたがって、身体は応じて様々な現象を現します。
その現れた現象のひとつを、私たちは時に「病」と呼んだりするのですね。
そのような視点で自分の心身を見つめる時、果たして「病」は、忌まわしいこと・ネガティブなことばかりでも無いと筆者は捉えています。
時に立ち止まって、自分と向き合うタイミングとして「病」と呼ばれる現象が現れているだけなのかもしれません。
筆者は、自分自身の心と体に現れる変化を、そのようにとらえています。
偶然のように思える突発的な事故でさえねっ。♪
皆様は、どのように感じられますでしょうか。
コメントを残す