この記事について
気の医学である鍼灸医学の立場から、逆子(骨盤位)となってしまう病理を、図を用いて解説しています。逆子(骨盤位)とは
逆子とは俗名で、医学的には骨盤位と称されています。本来であれば胎児の頭部は、子宮口に向けた体位をとるのですが、何らかの原因で胎児の下半身が子宮口に向いてしまった状態です。
原 因
原因はいろいろと言われていますが、一般的な母体側の要因として、子宮内で胎児の動きまわるスペースが小さすぎたり大きすぎたりすることであるとされています。
筆者が経験した逆子(骨盤位)は、10例に満たないのですが、いずれも腹部の緊張度はもれなく高く、しかも全員の方が胎動がとぼしくなったと訴えておられました。
筆者は、自分の臨床経験から母体の精神状態や、妊娠前から体内に潜んでいた元気の流れを阻む病邪によって身体の元気の流れに左右差が生じるのが、逆子となる大きな原因ではないかと考えています。
これまで手掛けてきたいずれの症例も、治療直後から腹壁が緩み、はっきりと胎動が活発となっていることを確認しています。
治療としては、先ず精神的なことに起因する気滞を解き、その後に下半身に元気を導き、逆子を生じさせているアンバランスを調和すると、母子共に協力し合って自然と正常位に戻ります。
元気の動き
人は不安を感じたり精神的に大きく情動が動きますと、元気が上半身に向かって昇ってきます。(下図)
そして素体によっては、お身体の元気の流れに大きな左右差が生じます。(下図)
そうしますと、お腹だけでなく、背中も手足にも左右差が生じてしまいます。
たとえば、足先の暖かさに左右差が出るとか、背中の背筋の盛り上がりが左右で異なる等、目で見て手で触れるだけではっきりと認識することが出来ます。
そしてその影響は、お腹の胎児にも及んで逆子となってしまうのだろうと、これまでの臨床経験から推測しています。
治療のポイントは、左右差を起こしている原因となっているブロックを、先ずは外すことです。(上図ー元気を阻むブロック)
ブロックの位置・場所は、人によって異なります。
治療は、先ずブロックを外してから、左右差だけでなく、上下のバランスを考慮して経穴を選択します。
そうしますと、母子共に協力し合って正常位に戻られます。
幸いなことに、これまで全員の方が正常位に戻ってくださいました。
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