この記事について
この投稿の意図は、感情の過不足が数多くの種類の病の病因となることを、みなさまに知って頂きたいという事です。感情の過不足を、身体から読み取ることが出来る東洋医学ならではの見解です。
稲垣副院長の過去投稿を再掲しました。 (院長:金澤)
万病の原因の一つとして、「感情の抑圧」というものが挙げられます。「感情の抑圧」は、それにふさわしい身体状態を取ることで実現されます。
人間のすべての活動は、肉体を通して行われるからです。
「抑圧している体」は、一つには、疲れやすさを生みます。
サイドブレーキを引きながら生きていくようなものだからです。
燃費は悪くなりますし、壊れやすい部品も出てくることでしょう。
他方、「抑圧している体」が抑圧するのは感情だけではありません。
心理学者のフロイトが求めたほどに抑圧の正体を明確化できていれば別だと思いますが、人が持つ優しさや弱さなどに基づくもめ事をうやむやにしたがる姿勢が、感情と共に違う物の流れも抑圧していきます。
抑圧が体液の排泄失調に及ぶことで、例えばチックなどが、
抑圧が体温の放散失調にも及ぶことで例えば出血などが、
抑圧が月経の排出失調にも及ぶことで婦人科疾患はもちろん、例えば「狂」などの精神疾患が引き起こされたりする訳です。
ここで治療されるべきものとは一体何なのでしょう。
「疲れやすさ」や「壊れやすさ」や「チック」や「出血」や「女性器疾患」や「狂」などでしょうか。
いや、これらが皆「感情の抑圧」から起こっているのであれば、「感情の抑圧」こそ対処されるべきもの……なのでしょうか。
「感情の抑圧」はなぜ起こるのでしょう。
誰だって、自分を悪くするために生きたくはないのです。
我慢が良くないことぐらい、本能が分かっているはずです。
それでもなお抑圧しなければならないだけの理由が、人にはそれぞれ有るということです。
つまり、その抑圧を取り払ったとしても、その人の周囲・家族・世間・社会・国家は、今まで通り回っていくだろうか、ということです。
ここに変革を促すのは、それなりに大変なことです。
一の会・会長(現:相談役)の金澤秀光先生がよく言われる 「人は関係性の中で病む」 というのは、この辺りのことへの指摘だと思っています。
一の会・副会長 (現:相談役) の永松周二先生は、「国(環境)を治してこそ上医」 とよく言われます。
一方で、「下工の仕事」 と謙遜されつつも、身体操作法などをおろそかにされることはありません。
地に足を着けずに理屈だけを並べ立てたところで、結局は何も変わらないからですね。
僕たち臨床家に出来ることの一つは、眼前の症状に取り組みつつも同時に、
症状の原因である「感情の抑圧」の更に奥に在る事情に対し、変化のためのエネルギーを加えていくことだと思います。
具体的には、小手先でなく、下腹から全身全霊で鍼を扱う・患者さんを診るということです。
永松先生の言葉で今一度言い換えれば、「動作は小さく、意識は大きく」ということでもあるでしょう。
『養生講座』で練習しているあの動きを、「心」も視野に入れつつ、患者さんへのアプローチ時に活用するということです。
文字で書くとどうしても安っぽくなってしまうのですが、この辺りのことについては、ぜひ実際に『養生講座』などで体験してみて、体験したことを各自で深めていっていただけたらと願っています。
※ 『養生講座』 は現在、お休みさせて頂いております。
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