この記事について
季節的な要因が、具体的に人体とどのような関係にあるのか。また冬に快適で元気に過ごすためのポイントなどを東洋医学的な視点で解説しています。
東洋医学では、自然界の気の変化と人間との関係を大変重要視します。
今年は秋らしい秋を感じることも無く、いきなり朝夕の気温低下となる気候となりましたね。
この気候変化の状況が人体に及ぼす影響って、意外と大きいのですよ。
例年ですと夏に多飲傾向であったのが、秋になるにつれて自然に飲水量が少なくなって参ります。
今年はいきなり気温が下がる気候になったことで、体液の排泄が追い付かず、体液の代謝異常が原因している症状でご受診くださる方を多く見かけます。
原因は気候的要因ひとつでも、その症状は人によって様々でして、特にストレスも無いのに眠れなくなった、気分が重く何をするにもおっくうに感じる・鬱々する、皮膚症状や鼻水、呼吸器の症状など多彩な現象として現れます。
気温が急に下がると体液の代謝異常が起きる?
体液の代謝異常で病気になる?
そんな疑問をお持ちのあなた。
ぜひ最後までお読みくださいね。
気候と人体
夏は気温も高く新陳代謝も活発になります。
汗をかきやすいというのも、その一つの現れですね。
夏の気は、下図のようなイメージです。
イメージとしては、発散でしょうか。行動も活発になりますよね。
水分もたくさん摂りますよね。
自然界をみると、草木はどんどん伸びて花を咲かせますし、風雨も激しいですね。
自然界も人間も、すべてが活発になります。
ところが急に気温が下がりますと、汗が出にくくなります。
秋と冬の気は、下図のようなイメージです。
夏が発散のイメージなのに対して、秋冬は締まって来るようなイメージでしょうか。
急に気温が下がったことで汗が出にくくなった分、小便として排泄されれば良いのですが体内に停滞してしまうと、元気(エネルギー)の流れを阻むようになり、様々な症状が現れてきます。
体液の代謝を上げるためには
1.適度な運動
身体が温まる程度の軽い運動でよろしいかと思います。
散歩や軽い運動をして身体が温まると、小便がよく出るようになったとおっしゃる方もいらっしゃいます。
約20分くらい散歩しますと、元気のめぐりが良くなり、足の裏も温まって参ります。
肩こりなど、上半身に元気が集まりのぼせがちな現代人には、生活習慣として取り入れて頂くと新陳代謝も活発となり、より元気で快適に過ごすことが出来るようになります。
2.冷飲食をつつしむ
冷たいジュースやビール、生野菜・刺身などの生ものは新陳代謝を低下さますので、出来るだけ温かいものを口にされるのがよろしいかと思います。
筆者も、若かりし頃はそんなに身体への影響は感じなかったのですが、60歳を超えたこの歳になりますと、いやおうなく身体への影響を感じさせられます。(笑)
その他、一般的に果物なども体液を身体にため込みやすくさせます。
果物は夏に適した食べ物ですね。
冬に向かって
これからの季節は、気温の低下に従って体表が締まって参りますので、汗もかきにくくなります。
汗は、体液+陽気(熱)ですから、体温を維持するために身体は毛穴を閉じ、汗を出にくくさせるのは理にかなったことなのですね。
そして冬の間に維持(温存)していた陽気(熱)のエネルギーで、春になって芽吹くように人間もまた次第に活発に活動できるのですね。
冬の病の主な原因
問題は、冬に新陳代謝が極端に低下してしまって、体液や陽気(熱)をため込んでしまった場合です。
体液と陽気(熱)が手を結びますと、体液の粘性が高まり、「痰」を生じます。
するとこの粘性の高い「痰」が元気の流れを阻み、身体の表面や手足は寒く感じるのに、反って冷たいものを好むという奇妙な現象が起きることもあります。
いわゆるこの時期多発する風邪症状も、この「痰」が原因していることが多々あります。
痰を生じやすい要因については、以下のブログ内で書いております。
ちなみに東洋医学の風邪の治療は、発汗を促して体液と陽気(熱)を排泄させます。
みなさまがよくご存じの「葛根湯」も、発熱を促して発汗させるお薬です。
みなさま、このブログの内容をご参考にして頂ければ幸いです。
快適で元気にお過ごしくださいね。
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