この記事について
日々の診療風景から薬でうつ病は治らないとおおしゃった方。
鬱症状は、これまでの意識のありようを問われていることで生じます。
時々、心身のメンテナンスのために、ご受診くださる40代の既婚男性。
久しぶりですねぇ~、今日はどんなご様子ですか? と尋ねると…
「先生、それがですね1か月くらい前から、うつ症状が現れまして。それに加えて吐いたり下痢をしたり、胃腸症状も乱れまして、夜も眠れなかったのですが、ようやく今に至って抜け出せそうかな…って感じで、今日来たのです。」とおっしゃいます。
とにかく心も体もだるく重く、会社に行くのが精いっぱいだったのですが、精神科を受診せずに、ずっとご自身を観察しておられたとのことです。
お身体を拝見すると、気が大きく内に鬱しておられたので、今も相当つらいだろうことは、すぐに察しがつきました。
筆者、お話を聞いてお身体を拝見して、確かに鬱ですが、これは意識の変容によって起きている好転反応だとお伝えしました。
ご本人も、今まで気が付かなかった周囲の人や家族・親のありがたみ、感謝の心が出てきたとおっしゃいます。
意識の変容は、生まれてから親にしつけられ、次第に社会化されていく中で親の価値観(エゴ)や社会の価値観念が潜在意識に刷り込まれ、その一方で意識の変容に伴って、これまで押し込めてきた本来の自分の思いや欲求に気が付くと生じます。
筆者も、体験しました。
過去ブログ 鬱と思考
いわば、意識の枠組み(思い込み?観念)が外れた結果、押し込めていた気が、一気に浄化される姿が、この男性の鬱の症状だったのです。
スムーズに抜ければ、スッとして心身ともに軽くなる感じがするのですが、この男性の場合、押し込めてきたものが巨大すぎて、気の渋滞を起こしてしまった結果がうつ症状であったわけです。
精神薬を服用しますと、このプロセスが止まってしまい、さらに鬱積が強まります。
鬱は、筆者も昨年、人生初の経験をしていますので、お話しするととても共感してくださいました。
精神疾患は、これまで何例も扱ってきましたが、みなさま、もれなく意識の変容時期、人生の節目、大きな流れの方向が変わろうとしているときでした。
このような時に、抗うつ剤を服用すると、悪くならない代わりに、良くもならない。そこで心身だけでなく、人生も固定されてしまいます。
すると、次第に追い込まれて、にっちもさっちもいかなくなる方もいらっしゃいます。
抗うつ剤を服用している方に、かえって自殺者が多いことは、筆者から見て大いにうなづけます。
以前、元々鬱症状をお持ちで、離婚をきっかけに鬱症状が悪化されて来院された30代の男性は、「10年間、抗うつ剤を服用してきたが、鬱は薬では、治らないのだと悟りました」とおっしゃったことがあります。
その通りです。
現在も抗うつ剤を服用しながら、通院してくださってる方もいらっしゃいます。
問題の本質は、うつ症状にあるのではなく、これまでの生き方に無理があったことに、次第に気づいてこられてます。
長年、双極性障害で何度も休職を余儀なくされてた方も、数年かかりましたが抗うつ剤から完全に離脱され、勤め先をやめてご自身で会社を立ち上げられた方もいらっしゃいます。
長年精神薬を服用されてると、離脱するにも相応の時間が必要なケースが多いです。
鬱を病気ととらえずに、自分自身の変容が求められていると意識してご自身と向き合うと、出口は見えてきます。
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