前回の続き、「新汲水(しんきゅうすい)」ですが、これは家に取り置いた水ではなく、新たに川で汲んだ水なのだそうです。
この川で汲んだ水は、野生の荒々しい野生の気を帯びているそうなのです。
この水で五苓散という薬を服用させ、激しく発汗・嘔吐・小便を出させる治療法があります。(『千金方』傷寒例の華陀の治方)
激しく攻める治療なので、野性味を帯びた荒々しい気の水が適しているということですね。
一方、甘瀾水(かんらんすい)を用いる奔豚の病は、気の塊(子豚)が、みぞおちや胸で詰まってしまい、息苦しい・嘔吐・頭痛など、死にそうなくらい症状が激しいのですね。
激しい症状を治めるために、人の手によって水の野性味を取り除き、マイルドな優しい気に変えた水を用いて治めるということですね。
水ひとつにも、古代の人々はその「気」を敏感に感じ取っていたということですねぇ。
もうひとつ、おまけのお話を。笑
それは、人尿です。
白通加猪胆汁湯という処方は、煎じた湯液に人尿を入れてさらに煎じて服用します。
治馬墜及一切筋骨損方では、初めから人尿で煎じるそうです。ちなみにこの処方には、緋帛=赤く染めた絹の切れ、乱髮=抜け髪、久用炊単布=使い古した布巾、敗蒲=使い古した畳やござなどが配されています。もう何?ってな感じですよね。
人尿については、昭和の漢方大家・荒木性次はその著書「新古方薬嚢」で、以下のように記しています。
「人尿は、よく体中を巡りたる経験者なればなり。故に津液(体液)のめぐりよろしからざる際に用いられる。」
気血を巡らせるだけでなく、体液の流れを回復させる際に人尿が良いということなのですが…なかなか服用するには勇気が要りますねぇ。よほど、切羽詰まったら服用するかもしれませんが。笑
ちなみにこの人尿、12歳以下の男の子のおしっこがよろしいのだそうです。
現代医学的にも、12歳以下の男子のおしっこには、成長ホルモンがたくさん含まれているのだそうです。
男の子のおしっこ飲むと、若返る?かもしれませんねぇ。笑
このように「気」という点からみると、漢方薬も鍼灸も医学ではありますが、神仙の道士が使う道術・呪術的なものが根底に流れていることが理解されますよね。
またこのような視点から滝行を眺めると、野生の気の水が高いところから落ちてくる下に入るのですから、そら、落ちるでしょうよね、いろんなものが。笑
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