このところ少し気温も上がり、少し春の気配を感じさせられますね。これから三寒四温と言われているように、行きつ戻りつしながら夏に向かって、自然界の陽気が高まって参ります。
この春の季節は、冬の寒気によって身体の内部に閉じ込められていた生理物質が、徐々に身体の上部・表面へと浮き上がって参ります。
その代表的な症状は、もはや国民病となってしまった花粉症です。
鼻水の源は、腹部や肌下の体液です。この体液を日本漢方では単に「水(すい・みず)」、中医学では「津液(しんえき)」というのですが、これが自然界の気と同期して現れるのが鼻水です。
目や顔面のかゆみは、主に腹部に隠れていた陽気が熱症状となって表れたものです。
花粉症以外でも、喉や鼻の奥の痛みと鼻水、くしゃみなど風邪とよく似た症状が出ておられる方もいらっしゃいます。また、呼吸器・皮膚症状などのはっきりとした症状が現れる方から、肩こり、鼻血がよく出る、なんとなく呼吸がしにくい、腰がだるいなどなど、なんとなく…といった軽い症状まで、この時期に表れる身体の違和感は、見方を変えるとある意味、デトックス症状でもあります。
対処法として、思いつくままに列挙してみますね。春は、「伸び伸び」するが、キーワードです。
1.身も心も緩める。
冬は引き締める・緊張といったイメージの気が作用していた時期でした。寒いと、身も心もかじかみますよねっ。笑
春は、心身のストレスや緊張を自覚して、緩めてあげることが大事なことになります。毎日の生活では、時間がゆっくりと過ぎるような感覚になる工夫がよろしいかと思います。また、何かを始めようかと心を軽くして前向きになるのがよろしいですね。
2.新陳代謝を上げる。
これは何も春に限らず、1年を通じて意識してもらうとよろしいのですが、特にこの春はこの新陳代謝が大切になります。
冬の寒気でため込んだ老廃物や余分なものの代謝を促すには、散歩や軽いジョギング・体操やヨガ・ストレッチなど、身体をノビノビとさせて、無理なく身体が温まる程度の軽い運動が適しています。
花粉症などの方は、一時的症に状が悪化するように思えるかもしれませんが、代謝が上がり、大小便の量などが増えると、症状は落ち着いて来られる方が大半です。
そしてもう一つ大事なことは、心の新陳代謝です。
昨日あったことなど、過去のことにイライラ・クヨクヨして心にわだかまりを生じることなく、「いま・ここ」の状況に意識的になることです。いわゆる、マインドフルネスですね。
わだかまりは、心の気の停滞です。心の停滞は、身体にまで影響します。小さなわだかまりや心の引っ掛かりが積み重なりますと、知らず知らずの間に大きな停滞になります。すると、頑固な身体症状となって表れることが往々にしてあります。
身体と違って心は、自分の心であっても、なかなか制御しにくいのは万人共通のことでもあります。
心は、身体の主人ですから、身体の不調はもちろん治療することも大事ですが、心の状態をいつも平静に保つことは、不調を来さないためにもとても大切です。
当院では、心と体と魂を一体のものとして扱っており「自分とつながる呼吸瞑想会」を行ってます。この心と体と魂の三者を統合すると、自分の心身に生じたことを自分で対処できるようになります。
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人間が健康的に生きていくための養生法とその考え方は、自然界の気の流れを感じながら自分の心身を処すことが基本です。
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養生の基本 ① 素問・四気調神大論2

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