日々のしおり

【町中華のトラウマ】

酒井 つぐみ

一日一食生活をしていたときのこと。

急遽、その日の晩御飯に友人と町中華に行くことが決まった。
夕方まで何も食べてないので、私はハラペコ。

わー、この空腹にこってり系は悪そうだなと心の奥底で思いつつ、お腹いっぱいご飯を食べた。


次の日、目が覚めると、昨日お腹いっぱい食べたはずなのに、お腹が空いている…。
普段は、夜ご飯を食べて寝るだけで、朝はお腹が空いていないから食べないのに。

んー、なんかおかしい…。

はい、人体実験ができる~!!!ってことで、大体の見当をつけてみて鍼を打つ。

鍼を刺してすぐ、お腹の減りがスーッと引いていった。
おおお~👏やっぱり。これは空腹ではなかった。


中医学的には「嘈雑」に近いと思うのだが、食べても食べてもお腹がすくような状態。
普段質素な食事で脂っこいものを食べ慣れていないところに、こってり油の食事を大量にとったからだろう。

油は体の中で熱を起こしやすい。
胃の中で熱が火(化火)となり、燃えている火に油を注いでいっているような状態。
なもんで、食べれば食べるほど、火の勢いが強くなり、燃やしていくので、お腹は空いていく。

私は、消火のようなイメージで、
足の胃経ラインの熱いところに一本と、
こもった熱の抜け道を作るために頭に一本、鍼を刺した。


ってなことがあってから数か月後、
できるなら油ものを控えるといいかもですね~っと伝えていた方が久しぶりに鍼を受けに来てくれた。
「油もの辞めて、10キロくらい瘦せたんです!」と。
そんなにスパルタにやったんですか!?と話しつつ、
それで体調がよくなって、苦でもないから油ものを控える生活を続けているようだった。

「でも、数日前に久しぶりにエビフライを何本か食べたら、お腹が空いて空いてたまらなくて、食べちゃうんです。せっかく痩せたのに・・・。」という。

これ、私のデジャブじゃないか・・・と思いつつ、
「久しぶりに油ものを取ったので、胃の中で火がついてて燃やしまくってるんだと思います~」
と説明しながら、同じように鎮火させたら、その後、空腹感はなくなったようだった。


何が起きているのかが分かると、自信もって鍼ができるからこれまた気持ちいい。
そして、机上の空論ではなく、学んだことがちゃんと臨床に生かせることが、めちゃくちゃ面白い、と思った出来事。

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