日々のしおり

【やろうすることが力みになる】

酒井 つぐみ

ある患者さんを診させてもらっている時に鍉鍼(ていしん)という、刺さない鍼を用いることがあった。
鍼を刺さないで効くのか⁉と思われるかもだが、刺しても刺さなくてもやっていることは同じ。
ナイフを向けると、相手は「怖い!!」と緊張する。つまり、ナイフに反応して気が動いているわけだ。
その反応を利用して、鍼を近づけることにより身体が反応し、気を動かすことを目的としている。
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「鍉鍼を身体に置いて、気が寄ってきたらそこで離すんやで。長いこと置いてたらアカンで。」
というアドバイスを先生からもらったものの、
気が寄ってくる???どうやって感じる??どんな感覚???と、なんともよくわからない状態。笑
「気が寄ってくるってどうやって感じるんですか?」と聞くと、
「ワシの場合は顔の前くらいで、あ。来た!ってなるけど、手で感じる人もおる。人それぞれやなあ、まあ感じてみ。」
と、先生が言う。
・・・んー、すっごい感覚的。聞いても分からん。
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という事で、先生に横についてもらい、やってみる。
おへその下の部分、関元(武術でいう丹田)というツボに鍉鍼を置く。
初めてという事もあり、「感じる…感じる…。」と、全意識を感じることに集中させていた。
ちょっと間置いていると、「来たで、もういいで。」先生が隣で言った。
「・・・えー、、、わかりませんでした!!!!」思わず言っちゃった。笑
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治療を終えたあと、先生から言われた。
「今、めっちゃ集中して感じようとしてたやろ?そうしたら余計分からんのや。
よおわかるわ、ワシも初学者の時そうやったから。でも練習してたら、あっ!ってわかるときが来るからな。」
古武術でもそうだが、やろうとするとそれが力みになってできないことは身体で経験している。
それと同じで、感じよう感じよう・・・とすることが心の力みになって感覚を鈍らせるようだ。
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頭では言わんとしていることはわかるが、やっぱりやろうとしてしまう。
臨床でも、なんでやろ、なんでやろ?って思いながら集中するとドッと疲れるが、気楽にやってる方がスパッと簡単に効果が出る気がしている。
淡々と、頭を空っぽにしてボーっと出来るのも能力な気がするな。
まあ、これも練習。古武術も東洋医学も通じるところがあって、面白いなあと思った出来事でした。

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