日々のしおり

豊かな表情ー印象に残る方

診察室の窓

 みなさま、こんにちは!

 今日は久々に日常の診療の話題を。

 

 昨日、1年半ぶりに受診してくださった方がいらっしゃったのですね。

 受診の動機は、お母様が体調を崩されたということで、ご本人も久々なので一緒に受診しようということで来院くださいました。

 ちなみにお母様、いつもこのブログをご覧くださってるとのこと。

 ありがとうございます!

 

 ところでこの方、原病は双極性障害だったのですね。

 初診の夕方、非常に高い熱が出てお母様から電話がかかってきたのですが、その高熱をきっかけに10数種の精神薬が一気に必要なくなった方です。

 症状は風邪とよく似ていたのですが、鬱積してた感情が熱という形で一気に噴き出しておられたのです。

 これをきっかけに排薬されて、以後一度も一種類も服用することはありませんでした。

 これまで精神疾患はいろいろ診てきましたが、記憶というか印象に強く残る方のおひとりです。

 

 一旦完治して社会復帰を果たされたこの1年半の間に、ご自身のことを振り返って気づいたことをたくさん話してくださるのですよ。

 筆者は、相槌を打ちながら、ただひたすら聞いていたのですが、以前に比べて格段に表情が豊かになっておられるのですね。

 あぁ~、この方はもう再発することは無いなぁ~と確信したのでした。

 うれしかったなぁ~(*^-^*)

 そして過去、筆者と話したことを手掛かりに気づいたことは、自分は承認欲求がとても大きかったこと。

 雑踏ですれ違う人にさえ、受け入れてもらいたいと意識していたそうなのです。

 社会規範に忠実に生きる・人に受け入れてもらう・認めてもらうためには、自分が何を感じ、どのような欲求を持っているのか。

 そんな自分を置き去りにしてきたと、淡々と話してくれるのです。

 さらに自分が思っていた社会規範さえも、自分が勝手に作り上げた幻想だったってことも。

 この場で書ききれないほど素晴らしい気づきの数々を伝えてくださいました。

 一生懸命、それこそ死にものぐるいで生きてこられた様子がありありとうかがえました。

 この方、ご病気をされ一旦は職を失われましたが、今、『しあわせです』とおっしゃられました。

 なんかね、筆者のためにわざわざ受診してくださったかのように感じましてね。

 日中の陽の暖かさと相まって、ほっこりとした気持ちになりました。

 有難いですねぇ。(*^-^*)

 

 さて、世はコロナで混迷の度合いを深めてるようですが、やるべきことをやった後は、社会の喧騒とはちょっと距離を置いておくのが、何にも増して有効な予防になると思うのですよっ。

 日常は、

 過不足なくおいしくご飯を食べて

 夜は気持ちよくぐっすりと寝て

 心は穏やかに和やかに保って、楽しみと喜びへとこころを運んで参りましょう。

 そうするとね、病魔は、近寄ってきませんって。

 それではみなさま、今日も一日、明るく元気で参りましょう!!

 

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