東洋医学は、自然界を観察して得られた法則を根本原理とします。
この基本法則は、日常生活の過ごし方や心の在り様など、養生法にまで貫徹されています。
自然の否応のない大きな力は、よ~く気をつけていないと見過ごしがちです。
例えば、地震や台風など、大きな気が激しく動く時は誰にでもわかります。ところが月の満ち欠けによる海の潮位の変化や生物の活動・産卵など、これもまた人智を超えた大きな自然の力の影響によるにもかかわらず、あまり自覚されないですよね。
女性の月経も、月の満ち欠けと同期していることは、広く知られていることです。
四季の移ろいも、『気』の観点から見ると、足音もなく静かに徐々に、しかも大きなうねりを伴った力で確実に訪れます。
この大きな力は、個人の都合など全く考慮しません。私たち人間は、ただ従って生きていくしか道はないのです。
この静かで有無を言わせない自然の大きな力に逆らって生きていくと、やがて病という災いが訪れるのです。
この静かで有無を言わせない自然の大きな力に逆らって生きていくと、やがて病という災いが訪れるのです。
このような「人智を超えた大きな力」を、古代人は実感として感じていたからこそ、自然に対する畏怖と感謝の心を持ち続けていたのでしょう。
そしてこの大きな力を古代人は神として崇めたのです。
八百万(やおよろず)の神もこの根本思想を基にしていますし、古代天帝とは、この自然を支配する天の使い、代理とされたので人民を苦しめると国が亡ぶとされたのです。
現代は、主権は民にありますので、一人一人が神の代理である主権在民力の時代でもあるわけです。みなさま、ご自身の持ってる力を、自覚いたしましょうね。
このような実感を伴った感覚で、古代『天人合一』思想というものが生み出されました。天とは自然のことであり、自然界と人間の気の循環は同じ原理で、しかも同期しているという思想です。