先日、弟子の酒井つぐみ君が、ご自身の月経不調の体験をこのブログで開示してくれました。
その投稿の内容は、ご自身の生きている現実の生々しいメンタルと身体の関係がつづられています。
月経のトラブルには、様々な対処法があります。男性と違って女性の来潮は、月の満ち欠けと同期します。いわば、宇宙の気とつながっていることを身体で実感できるのが女性の月経です。
月経前後の不調の原因
月経前は、東洋医学的には身体の気血が最も充実した時です。その最も充実した時に不調が現れるのは、気血の流れの勢いが増し、気血の流れを阻んでいる病邪の存在が明確になるためです。
現代医学的には、ホルモンのアンバランスで生じると説明されますが、東洋医学的見解では、心と体、それを取り巻く環境との関係性を分断し、身体に起きていることの結果を示しているのに過ぎません。
ですから、ホルモン治療は原因治療ではないので、ホルモン(薬物)治療には終わりがありません。
・感情や納得できない思い
日常生活で、ちょっとした出来事や人とのかかわりにおいて、時に小さくても感情が起きます。その感情を表現しないで自分の中に納めてしまうと、時間の経過とともにその感情の記憶は忘れられても、身体には気血の停滞としてはっきりと残ります。
そしてその時々の感情は小さくても、積もり積もると大きな感情の鬱積となり、気血の停滞を来します。
月経前にイライラしたり些細なことでカッとしたりするのは、このためです。
・飲食によるもの
気血の流れを阻む「痰湿(ねばついた体液)と称する病理産物が気血の流れを阻んでいる場合があります。
味の濃いもの、揚げ物やお肉、甘いもの、クリームなどの乳製品の摂りすぎると体液が粘ります。粘性の高い体液は、気血の停滞を来します。
・環境や服装
冷房の普及によって、夏でも冷風にさらされます。また露出度の高い服装なども、電車内や職場で影響を受けます。
身体の表面が冷えると、体内の陽気は表に出ることができないので、体内でうっ滞を起こします。そのまま解消されないと、気血のうっ滞は体内で熱となります。
すると体内の体液は蒸されて濃くなるようになり、粘性が高くなり気血の停滞を来します。
・ストレス
自覚できてるストレスならば、いずれ解決する時期や方法があります。問題は、自分の中にある葛藤やストレスに気づいていない場合です。
たいていの方は、生理出血2日目の出血量が多いとおっしゃいます。3日目から徐々に出血量は減少するのですが、それにつれて不快症状も減退します。
生理出血とともに、体内の病理産物が血と共に排出されるからです。
月経後の不調
腰痛やめまい、だるさを伴い疲れやすい、生理出血がダラダラ続いてすっきり終わらない、気分が落ち込んだり欝っぽくなるなど、元気が減退する症状が現れます。
原因は、主に消化器機能の低下が考えられますが、他の要因も多くかかわってきますので、ここでは詳しく触れません。
当院では、心と体を整え、その人本来の気血のめぐりを回復することで不調を解消します。
そして、身体が表現していることの意味を読み取り、ご自身でできる解決法を探します。
不調をチャンスに変えるお手伝いを致します。
稲垣副院長の過去投稿を再掲しました。
感情の過不足が数多くの種類の病の病因となることを、みなさまに知って頂きたいという願いからです。感情の過不足を、身体から読み取ることが出来る東洋医学ならではの見解です。

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