はじめに
今年は梅雨が短く、猛暑日が続いていますね。そんな中、冷房は欠かせない存在ですが、様々な不調症状が、冷房に起因していると分からない方が大半ですので、人体にとって冷房がどのように影響するのかをお話いたしました。
先日開催した第17回「自分とつながる呼吸瞑想会」では、人体の気に冷房がどのように働くのか、そしてその対策、さらに呼吸瞑想を通じて心と体を整える方法をお伝えしました。
このブログでは、セミナーの内容をさらに詳しく解説し、夏を健やかに過ごすための具体的な方法をご紹介します。
「自分とつながる呼吸瞑想」では、様々な呼吸法を通じて自分の心と体に意識を向けます。参加者の中には、呼吸法を行うと過去の出来事や感情が次々と浮かんでくる経験をされた方も多いのではないでしょうか。これは、呼吸法が潜在意識に眠る「本当の自分」を呼び覚ますからです。
私たちは社会に適応する過程で、「本当の自分」と「社会的な自分」が分離しがちです。例えば、「こうしたい」という本心や欲求を抑え、周囲に合わせることで「社会的な自分」を優先してしまうことがあります。その結果、本当の自分は置き去りにされ、心や体の「気の停滞」として不調や病気の原因になることがあります。
呼吸瞑想では、こうした潜在意識に眠る感情や記憶と向き合い、それを「流す」ことで心と体のバランスを取り戻します。特に、繰り返し浮かぶネガティブな感情やフラッシュバックのような記憶には、無理に抑えず「また来た」と受け止め、呼吸とともに手放すことが大切です。
このプロセスを通じて、本当の自分とつながり、心身の調和を取り戻せます。
夏は東洋医学では「気を発散する」季節。
夏の暑気によって代謝が上がり、汗をかくことで体内の毒素を排出されるので、デトックスに最適な時期です。
しかし、冷房の効いた環境では汗孔が閉じ、気が体内にこもってしまいます。さらに、冷たい飲み物の過剰摂取による「水毒」が加わると、様々な不調が現れます。
※第17回「自分とつながる呼吸瞑想会」で使いました資料です。
臨床現場での具体例を見てみましょう
- 30代女性(専業主婦):冷房の部屋から暑い外に出ると急に汗がドッと出て、頭痛や腰痛、ぐったりしてしばらく起き上がることが出来なくなる。原因は、冷房でこもった気と水毒が一気に噴き出し、みぞおちを塞いだことによる。
- 3歳のお子さん:旅行先で冷房(23~24℃)下にいたところ、急に手足が冷たくなってぐったりとし、吐き気や食欲不振に。体内にこもった気と水毒が病毒となり、みぞおちを塞いだと同時に気が上に突き上げて強い吐き気を引き起こした。
- 50代男性:飛行機の気圧変化で耳の痛みや呼吸のしづらさ、鼻水が出現。連日冷房下での事務作業が原因で、体内にこもった病毒が気圧変化で一気に上昇し、みぞおちを塞いだ。
これらのケースは、冷房により「気」が発散できず、体内にこもった結果生じた不調です。いずれも、みぞおちが詰まってしまい、呼吸も浅くなっています。
夏に汗をかくことができない人は、皮膚トラブル、アレルギー、喘息などのリスクも高まります。後に書いてますが、潜在意識に緊張・葛藤を抱えておられます。
冷房は快適で上手に使えば熱中症予防に有効です。ですが使い方を間違えたり長時間冷房下に居ると、本来排泄される病毒が体内に鬱積して様々な不快症状を現します。
以下は、夏を健やかに過ごすためのポイントです
- 冷房の設定温度を見直す
出来るだけ冷房の使用を控え、やむなく冷房を使う時は27~28℃に設定し、扇風機を併用して空気を動かしましょう。過度な冷えを防ぎ、快適に過ごせます。 - 適度に汗をかく
夏は汗をかくのが自然。適度な運動で汗をかくことで、体内にこもった熱や毒素を排出します。
私は昼休みに淀川の河川敷公園を4km程度走ったり、休日は登山で汗をかくことで体調を整えています。 - 冷たい飲み物を控える
冷たい飲み物の過剰摂取は胃腸を弱らせ、夏バテ(食欲不振、下痢、手足のだるさなど)を引き起こします。常温の水やハーブティーを選び、適度な水分補給を心がけましょう。 - 体の感覚を観察する
冷房の部屋から外に出たときや、暑い外から冷房の部屋に入ったとき、体の「気」の動きを感じてみてください。例えば、外に出ると「気」が上がって汗が出る、冷房下では「気」が下がる、といった感覚です。この自分の身体との対話を通じて、自分の体の状態を理解できます。
自分の体と心に気づく
呼吸瞑想は、体の「気」の流れを整えるだけでなく、潜在意識にある心の葛藤にも気づく機会を提供します。例えば、「人に弱みを見せたくない」「失敗したくない」といった思いが強いと、無自覚な緊張・葛藤で、汗をかきにくくなることがあります。こうした緊張・葛藤に気づくと、自分で心と体のバランスを整えることができます。
実践方法は簡単です
・静かな場所で楽な姿勢をとり、カウントしながらゆっくりと深い呼吸をしたり、速い呼吸を行います。
・体の緊張や感情の動きに意識を向けながら、「いま・ここ」の自分を意識する。
・セミナーで行う数種類の呼吸瞑想の内、自分の感覚でしっくりくる呼吸瞑想をご自宅で5~10分行い、心と体の軽さを感じてくださればと思います。
ご興味をお持ちの方は、是非一度ご参加ください。
次回、第18回は、9月21日(日)です。詳しくは、下記リンクをご覧ください。
「自分とつながる呼吸瞑想会」のご案内
おわりに
「自分とつながる呼吸瞑想会」では、東洋医学の「気」の視点を取り入れ、本来の自分とつながる方法をお伝えしました。
冷房との上手な付き合い方、適度な汗のかき方、自分の体の感覚との対話を意識することで、夏を健やかに過ごせます。
自分の心と体に耳を傾け、バランスの取れた生活を目指しましょう。
次回のセミナーでも、さらに深い気づきをお届けしますので、ぜひご参加ください!
※ 少し専門的な内容になりますが、東洋医学的な夏の養生法を書いていますので、よろしかったらご覧ください。
養生の基本 ⑥ 夏 素問・四気調神大論2

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