先日の出来事。
いつも治療の空いた時間で、「鍼しよかっ。」と先生が声をかけてくれる。
その日も鍼をしてくださることになり、ベッドサイドに先生が入ってきて、脈やお腹を診ながら私に聞いた。
先生:「どうや調子は?」
私:「元気なんですけど、なんか左目の下がヒリヒリするのが気になるくらいですかねえ。」
先生:「ほんまやな、よく見たら赤くなっとるし、腫れてるなあ。どうしたんや?」
私:「昨日、ご飯作ってたら、湯気を浴びて。その火傷かなあとか思ったんですけど、ヒリヒリし出したのは今日からなんですよね。」
先生:「火傷やったら昨日からヒリヒリするやろう。なんか最近、甘いもん食べんかったか?」
私:「・・・。食べましたっ。甘いものというより、ニンニクとか、揚げ物とか、乳製品もっ。」
先生は笑いながら、言った。
「うん、火傷やないな。それやなっ(笑)胃に熱がこもってるんやな。」
.
あーーー、先生には嘘つけんな・・・。笑
「両手出してみい。」先生に言われ、私は手を出す。
『刺絡』というのだが、鍼を刺し、両方の人差し指から少し血が出るように処置をしてくれた。
「おお~、なかなか汚い(黒い)血が出とるのお~(笑)」なんて言いながら、私の人差し指から血を出す。
胃腸に関連する経絡から、わざと出血させることで胃の熱を取っていくのが狙い。
.
.
東洋医学では、脾(消化器)が弱ると、出血しやすいなんてことも言われるのだが、
そうではなく、体がこもった熱を排出しようとして起こる出血もある。
生理現象としてよくあるのは、血便や血尿、鼻血とか。
女性に毎月くる「月経」も、その一種。
だから月経は、余分な熱を取り除き、体の掃除をしてくれるので、とっても大事なこと。
人によっては閉経後、今まで月経として排出できていた熱の出口がなくなり、熱が体にこもりやすくなることが原因で、不調をきたすこともある。
.
チョコやアーモンドを食べると鼻血が出るんだよね~という人もいる。
それも、砂糖やピーナッツなどの油分が多く含まれる食べ物は体に熱を生みやすいので、その熱を出そうとして、
体がわざと出血させているんだろうと思ったりする。
.
.
治療終わりに先生は、私と一緒に診てくれていたもう一人の研修生に
「つぐみ君の熱の原因は食べ物やったけんど、メンタルによるものもあるし、場合によっては外邪(自然環境の邪)によるものもある。原因が何かをこっちから聞いていくことが大事やで。それが分かってたら、鍼もよお効く。」
と伝えてくれた。
次の日、私の左目は何事かもなかったかのように治った。
.
ああー、面白い世界やなあ。
また、一ついい経験させてもらえたな。先生、いつもありがとうございます。

コメントを残す