ブログ「鍼道 一の会」

活動報告ー10月 臨床医学講座

東洋医学講座

 朝晩の冷え込みが、冬の到来が近いことを告げているかのようですね。

 夏に発散していた気が収斂し、内部の深いところへと「藏」されていく過渡期であることを、自身の身体でも感じている今日この頃です。

 

 さて10月28日、いつもの大阪医療技術学園専門学校 の教室をお借りして、今期第7回目の「鍼道 一の会」臨床医学講座を開催いたしました。

 

 冒頭は、一の会の役行者(と、金澤は呼ばせていただいています) 高橋佑輔先生による「ゾーン」についての講義。

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 「ゾーン」とは、主にスポーツの分野で、選手が「ボールが止まって見えた」「観客の気配が消えた」などと表現されているような、極度に集中した状態で起こるとされる 一種の変性意識状態です。

 

 高橋先生は、鍼灸師・アスレティックトレーナーであると同時に、現役のアスリートとして各地のトレイルランニングなどの大会に出場されています。

 その経験から、「ゾーン」に入った時の感覚や、どのような時に「ゾーン」に入りやすいのか等について講義してくださいました。

 

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 もちろん、鍼治療に応用することが目的です。

 どうすれば「ゾーン」に入ることができるのでしょうか。

 高橋先生は、思考はもちろん大切ですが、人間に備わっている本能やそれに基づく感覚・感性とのバランスを再構成することに、その鍵があるのではないかと。

 

 それはすなわち超越的自我状態となり、神とともに在る、あるいは神に等しい状態になることだと、筆者は解釈しました。

 ここでは書き切れませんが、すばらしく、目からうろこが落ちるような感覚でした。

  

 参加者の方々も、日常生活のなかで時間の経過を忘れるなど、「ゾーン」に入ったような感覚と体験をシェアすることが出来ました。

 高橋先生、ありがとうございました。

 

 お次は筆者金澤が、久々に講義を担当いたしました。

 お題は、長年温めてきた「奇経八脉空間論」です。

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 <難経>や李時珍(1518-1593)著の<奇経八脉考>に記されている概念から大いに外れた概念をみなさまに提出いたしました。

 

 奇經八脉を、ひとくくりとしてではなく、それぞれ異なる独立した太極定位として捉えてみました。

 八宗穴のペア穴も、その組み合わせをもっと自由に、病態に合わせて組み替えて用いると応用範囲が広がります。

 

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 質問が続出しましたが、非常に充実した楽しい時間となりました。

 

 午後からは、質問の応答に少し時間を割いて早々に実技へと。

 実技のテーマは、取穴部位を八宗穴に絞って、刺鍼前と刺鍼後の変化を確認すること。

 

 いつも申し上げますが、大事なことは、刺鍼前に望診と切診をしっかりと行い、八宗穴を用いる際の意図を明確にしておくことです。

 自分が意図した通りに気が動いたかどうか。

 効果判定も、みなさまにも分かるようにきっちりと行います。

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 実技になるとみなさま、ほんと生き生きされます。 

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 真剣さの中にも、ワイワイと楽しさも交えながら実技講習時間は過ぎて参りました。

 

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 ちなみに、衣服の上から切診しているのは、気の偏在を大きく捉えるためです。

 これを捉えた後、実際に肌に触れてその表面の状態から虚実を候います。

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 八宗穴のスタンダードな使い方の意図が分かると、患者さんの変化球にも慌てず軽やかに応じることが出来ます。

 筆者は、その手応えとしての症例を持ち得ていますが、これもまたひとつの形としていずれ提出したいと思います。

 

 次回の臨床講座では、人がイキイキと生きて行く上で欠かすことのできないものでありながら、その反面、最も人を、自らをも害する「感情」について。

 東洋医学では、様々なこころの反応としての感情を「七情」と表現しますが、この「七情問題」の扱いと対処法について、参加者のみなさまとディスカッションする予定です。

 この医学において、「七情問題」は、あらゆる病に内在していることですので、避けて通ることは出来ません。

 

 来月の臨床医学講座、どのような展開になるのか、今から非常に楽しみです。

 

 高橋先生、参加者の皆様、本日はお疲れさまでした!

 ともに充実の時間を一緒に過ごせるのは幸せです。

 そしていつも会場をお貸しくださってます 大阪医療技術学園専門学校 関係者の皆様、本日もありがとうございました。

 

 次回『鍼道 一の会』東洋基礎医学講座は11月11日、臨床医学講座は11月25日です。

 

 

 『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。

 ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。

  『鍼道 一の会』についてのお問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで

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