ブログ「鍼道 一の会」

活動報告ー9月基礎講座

活動報告

 あっという間にもう9月。

 今年度の「鍼道 一の会」東洋医学講座も、後半戦に突入いたしました。

 夏休み明けの最初の日曜日は、爽やかな秋晴れの元、第6回基礎医学講座を執り行いました。

 

 トップは永松副代表によります「易学」

 導入は、ご自身の今朝の体調エピソードと ご家庭ネタから。

 会場は笑いにつつまれ、和やかなスタートとなりました。

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 今回は天干=十干地支=十二支を解説され、これを九宮にそれぞれ配置して空間的・時系列的に解説。

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 参加者の方からは、「用語に慣れていないので難しく感じるが、人体を空間的にとらえることの意義は理解できた」との声を聴かせていただきました。

 易学って、本当に奥が深いですし、応用無限だなと筆者金澤はいつも感心しております。

 

 この後を引き継いだのは若手のホープ、川越凌太先生による「経絡学」

 今回は、手厥陰心包経と手少陽三焦経の流注解説。

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 川越先生お手製の経絡アニメーションを用いての解説は、やはり流注のイメージがしやすいと好評です。

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 表裏関係や属絡の部位などは、非常に大切な点でありますので、何度も何度も繰り返しインプット&イメージすること。

 さらにこのように講義という形でアウトプットすることにより、川越先生のスキルアップにもつながります。受講生の皆さん、ぜひとも再講義リクエストしてくださいね。

 

 そして午後からは「臓象学」
 大阪医専 東洋医学部・鍼灸学科 教師 江見木綿子先生。

 

 今回は心包と三焦について。

 ここは歴代の医家による諸説紛々の領域でありまして、江見先生は、これら諸説から臨床に結び付く概念を構築するのに、かなり苦心されたとのこと。

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 身ぶり手ぶりで、木綿子ワールドの心包・三焦論を展開。

 江見先生独自の表現が、とても意識になじみやすいと好評です。

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 大変綺麗にまとまりかけたのですが・・・

 そこへ金澤が横やりを。^^;

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 というのは、参加者から、三焦の下合穴がなぜ委陽穴なのか?

 委陽穴の穴性についての質問を耳にしてしまったことから、口を出さずには居れなくなりまして。

 而して金澤も教壇に立ち、ここから大いに紛糾(?)いたしました。

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 (なぜか江見先生と筆者金澤の口元が、同じになってますね^^)

 

 まずは筆者金澤が、通説として述べられている手足の五兪穴について確信を持てるところと不明な点を開示しました。

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 そして指先から四関(四肢の関節)までと、身体の空間的相関性について、金澤・永松・稻垣の三つ巴のディスカッションとなりました。

 

 はたして結論は、、、出ました!!

 

 詳しく書くと長くなりますので、要点だけ記しますね。

 ◆一口に「井穴」といっても、手と足では全く意味合いが異なってくる。

 ◆井穴と合穴では、応ずる気のバリエーション(陰陽・清濁 等)が異なる。

 

 ということです。

 そうしますと、委陽穴の使い方も、自ずと導き出されます。

 

 基礎講座でありながら、かなり高度な内容となってしまいました。

 が、参加者の方々からは とても有意義であったとの感想をいただきました。

 

 さて、ヒートアップしました「臓象学」の後は、常に沈着冷静な稻垣学術部長によります「一の会式・東医理論」

 今回は<腑について>。

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 中医学が年々、内経医学から遠ざかり、西洋医学化されている現状。

 中医学の理論概念が整理されればされる程、実際の臨床から遠ざかったものになることを、具体的な例を用いて解説してくださいました。

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  例えば、”小腸の泌別清濁の失調”について、「具体的な臨床所見でどのように認識するのか」が抜け落ちたまま概念だけが存在していても、かえって初学者が迷うことになる、と。

 このような切り口は、まさに稻垣先生ならではです。

 稻垣先生による東洋医学理論の再構築。今後も非常に楽しみです。

 

 というところで、今回は「臓象学」でディスカッションに時間を割いてしまいましたので、永松先生による「身体学」は、次回のお楽しみに!

 

 最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

 次回『鍼道 一の会』臨床医学講座は9月17日(日)。大阪・南森町の大阪医療技術学園専門学校にて、開催させていただきます。

 会員の方々には、追ってご連絡差し上げます。

 

『鍼道 一の会』は、年度途中の入会も受け付けております。

 興味が湧いた、面白そう、ピン!と来た方、どうぞお問い合わせください。

 お問い合わせは

 『鍼道 一の会』 事務局 大上(おおがみ)まで

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