東洋医学には、さまざまな養生法があります。
筆者が行っている鍼灸術は、黄帝内経(こうていだいけい)をその出発点にしています。
むろん、未病治をもっとも重視しているので、人々が行うべき養生法も記されています。
その中心は、天人合一思想です。
それを一言で表せば、心も身体も自然に寄り添うように生きなさいということです。
昨今、自然という言葉があまりにも安易に使われています。
自然素材、自然食品、自然派化粧品、自然派志向・・・etc
江戸期の医師でもあり哲人でもあった、安藤昌益(あんどうしょうえき 1703年‐1762年)は、自然を「ひとり、する」と読んでいます。
「ひとりする」ものとはいったい何なのでしょう。
朝になれば太陽が昇り、天地に陽気が次第に満ち、夕方になると陽気は潜み始め陰気が夜の帳を引く。
人間の都合に関係なく、太陽は昇り、また沈んで行く。
個人の意志の都合に関係なく、身体は朝目覚め、夜は眠る様になっている。
こんな当たり前のことが、自然に寄り添って生きるということです。
現代では益々、このような自然法則から外れて行ってます。
ここに、現代病の根があるのです。
自然に寄り添って生きる。
深く味わい、我が身を振り返る重要な視点です。
( 筆者 : 金澤秀光 )
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