ブログ「鍼道 一の会」

五行論 - 序論

五行論

サザンカ ― 愛らしい・・・

 五行論は、陰陽論と同じく認識論のひとつである。


 その五行論は、四書五経の内の書経(しょきょう)、またの名を尚書(しょうしょ)の中の洪範に初めて見ることができ、春秋戦国時代に陰陽論と結びつけられ、現在は「陰陽五行論」として一体的に運用されることになった。

 書経は、周の武王が革命に成功したとき、禹 (う) が整理した上帝の啓示を、殷の箕子 (きし) が武王に授けたとされているもので、自然界を水・火・木・金・土の要素に分類して認識し、政治,道徳の九疇 (九大法則) を示したものである。

 書経では、水→火→木→金→土という順序で著わされており、一般的に知られている木→火→土→金→水とは順序が異なる。

 書経に記されている、水→火→木→金→土は、混沌とした世の治世を目的として説かれたもので、無形から有形への順序、先天・宇宙創生・人間の誕生などの過程を認識するのに用いられ、形而上学に属する。

 そして一旦、形が出来上がった後(後天)、木→火→土→金→水の順序の変化過程を生・長・化・収・蔵と認識するのに用いられ、形而下学に属する。

 この木→火→土→金→水は、春秋戦国時代に認識を展開するため、鄒衍(すうえん 前305~前240?)によって理論展開されたものとされている。

 五行論は、自然界の様々な様子を木・火・土・金・水の五つの性質に分類・整理したもので、五行によって季節などの自然界の推移、時間の経過など抽象的・具体的な現象などを認識する方法として用いられている。

 東洋医学で用いられる五行論には、相生・相剋・相乗・相侮関係などがあるが、これらを絶対的法則、機械的に運用すると誤りを犯しやすい。


 特に帰納法として用いる場合は良いが、演繹法としてはこれを用いない。

 特に外感表証などの場合、病の進行は五行論的法則性を用いることはできない。

 五行論で大切なことは、認識手段のひとつの方法として木・火・土・金・水の五つの性質をイメージとして捉え、それを臓腑生理と結びつけて運用することである。

 以下、五行から連想されることを記すが、この内容に囚われず自由に連想を膨らませることが大切である。

 一の会

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