ブログ「鍼道 一の会」

体験に止揚する

 みなさん、アメリカの大統領をご存知でしょうか。日本の、総理大臣は?

 ほとんどの方が、オバマ氏、安部氏と即答されるでしょう。

 では、実際に会ってその人物に触れて、知っていると言っていますか?

 正確には、マスコミを通じて知っていると言うことですよね。

 書物で基礎を学ぶことは、とても重要なことです。

 しかしそれは単に、知識として知っていると言うことに過ぎない。

 書物で得た知識を、今度は体験にまで高めていくのが、臨床です。

 書物で得た知識を体験に高める課程で、書物で得た知識の誤りであったり限界を感じたりする。

 そこに伸びしろ、成長・発展があるのです。

 
 最初に得た知識が仮に誤りであっても、それによって新たな道が開けると言うものです。

 自分の器に合った程度の知識を自身に蓄え、それを体験に止揚する。

 常に知識を得、それを臨床という体験に照らし合わせること。

 これを何度も繰り返す課程で、陰陽の転化が生じて臨床力が上がる。

 

 先人の行ってきた事を継承することは、とても重要なことだ。

 それとて、自分の体験に止揚するという姿勢。

 これは、さらに大切なことだ。

 ※止揚
 ヘーゲル弁証法の根本概念。あるものをそのものとしては否定するが,契機として保存し,より高い段階で生かすこと。矛盾する諸要素を,対立と闘争の過程を通じて発展的に統一すること。
 揚棄。アウフヘーベン。 〔ドイツ語 Aufheben の訳語。「岩波哲学辞典増訂版」

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