ブログ「鍼道 一の会」

五行色体表の用い方

五行論

寒風の中、微笑んでいるよう

 五行色体表は、木・火・土・金・水の五つの性質に分類・整理されたものであるが、まず最初に観念的に覚える必要がある。

 そしてさらに、一歩踏み込んで五つの属性に分類された理由を捉える。

 例1 自然色体表・・・表1

 五悪・木性は風であるが、風は一年中存在しているのに何故木性に分類されているのか。

 冬は陰気の極まった時であり、物事は鎮まった状態である。春になると陽気が生じ始め、物事が目立って動き始める。風は気が動じている姿であるから、その気を風に象徴しているからである。


表ー1
 また人体の色体表においても、それぞれの項目に配当されている意味を捉える。

 例2 人体色体表・・・表2

 五労・土性は坐であるが、なぜ久しく坐すると脾を傷害するのか。

 脾は四肢を主り、四肢を長時間動かさないと脾気が鬱滞し、病邪の産生と脾気の異常を来すからである。反対に、四肢を使って運動をよくすると食事が進むのは、このためである。


 例3 人体色体表・・・表2

 五竅の木性は目であるのに、五労で目は火性に配当されているのはなぜなのか。

 厥陰肝経と少陰心経の流注は、共に目の深部で合流しており、目は血を受けてよく見ることができる。


 肝血虚であれば、カスミ目や視力の低下を来す。

 また久しく見ると、気は上逆し、鬱して化熱し、肝血よりもむしろ心血を傷り、精神疾患を来しやすい。




表ー2

 以上のように、色体表に配当されている内容に意味付けをしていくことが大切である。

 次に、柔軟に色体表を用いることができるようになれば、色体表を離れ自由に発想する。

 視力低下を例にすると、肝血虚、脾気虚などの正気の虚によって生じる場合。


 気滞、痰飲、瘀血、内熱などの病邪が清陽を阻んで生じる場合などがある。

 また眼瞼は、脾胃との関係が深く、炎症性疾患は風熱などの外邪による場合、湿熱などの内邪によって生じる場合があるので、目=心・肝と固定的に捉えると、正しく疾患を把握することが出来なくなる。




一の会

Track Back URL

https://ichinokai.info/blog/news/%e4%ba%94%e8%a1%8c%e8%89%b2%e4%bd%93%e8%a1%a8%e3%81%ae%e7%94%a8%e3%81%84%e6%96%b9/trackback/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


The reCAPTCHA verification period has expired. Please reload the page.

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

▲