この記事について
「病因病機」=病になる原因とその経過について、東洋医学的な視点からお話させていただいた講座の動画から一部抜粋したものです。◆ 1つ目は「天人合一」(天人相関・天人相応)
大きな宇宙(マクロコスモス)と小さな宇宙(ミクロコスモス)
天(自然)と人(身体)
全体(全身)と部分(局所/1つ1つの組織や器官)
からだとこころ
「人と天地は相応する」
人間も宇宙(自然)の一部だから、自然界の現象と、人体のはたらき(病気や症状も含む)にも共通の法則性がある、と考えることです。
◆ 2つ目は「有機的統一体」
人(こころもからだも体内の組織・器官、すべてをひっくるめて)はひとつながりの有機体、自然とつながるひとつの生命体としてはたらいている、という考え方です。
ゆえに、東洋医学の治療においては、自然の理(ことわり)、そのリズム・調和の中で、人体を診ていくことが大切になります。
古のひとびとは、自然界のルールを知り、天や星の動きにあらわれる現象をみることで、世の中の流れを予測し、作物の成長や、季節ごとの人体への影響を読み取っていました。
そのひとの身体にあらわれているものを「象」と言います。
この「象」は、身体の中にしまわれているみえないもの「蔵」が、反映されたものです。
古のひとびとが、星をみたり、空の色をみたり、潮の満ち引きをみたり、風の動きを観察していたように、
私たちは、顔色をみたり、匂いをかいだり、音をきいたり、お腹に触ったり、脈を診ることで、患者さんの全身の状態を診るのです。
部分から全身、全身から部分の状態を。
あらわれているもの(表・象)から、しまわれているもの(裏・臓)の状態を、推理することができます。
そのひとの心身の状態、周囲のひと、家族、社会、環境、自然との関わり方、バランスのとりかた、考え方の癖…。
それらの情報を矛盾なくあわせて、病の原因がどこからきたのか、病がどういう経過を辿ったのかを推測し、病の本質は何であるかを突き止め、治療を行う。
昔と比べて、生活環境が変化したこと、自然+αのものからの影響があること(例えば、クーラー・暖房・自然に沿わない食べ物など)についても、推理に加える必要がありそうです。
それでも、大きな仕組みは変わってないんじゃないかな、と思います。
【文責:川村 淳子】
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