内経医学では、「胃の気」を重視しているが、中医学ではその概念がすっぽりと抜け落ちている。
「胃の気」に関しては、「一の会」四診実技理論の教科書で詳述しているので、いずれ公開したいと考えています。
経絡的には、足陽明胃経上に大腸・小腸の下合穴が存在している。
このことの意味を臓象と重ねてみると、臨床の幅が大きく広がると思います。
外界としての天の気の接点となる肺の臓。
地の気の接点となる胃の腑。
ともに防衛作用が強いために陽気もまた盛んであり、衛気と胃の気の関係もまた非常に密接であり、臨床的にも重要な視点を与えてくれる。
胃の気の盛衰は、直接生命にかかわってくることを十分にわきまえて置く必要がある。
【概要】
「胃者.五藏六府之海也.水穀皆入于胃.五藏六府.皆稟氣于胃.」<霊枢・五味篇五六>
胃の腑は、地気・濁気である飲食物が最初に納まる所であり、外邪の侵入を防ぐために非常に陽気の強い腑である。(多血多気)
中医学の『胃気』とは、受納・腐熟・和降作用を指すが、内経医学では、『胃の気』の有無を非常に重要視しており、『胃の気』は、後天の元気であり全身をあまねく循っている。
胃の気は、切り花のように根が切れてもすぐに枯れないように、胃の気が切れてもすぐには死に至らない。
しかしながら重病に相対しては、四診を通じてこの胃の気の有無を判断することが予後を判断するうえで非常に重要になる。
【位置】
十二椎下、無名穴に付着する。
【形状と臓象】
胃の文字は、田と月の会意文字である。古い文字では、田を胃袋として中に物がある形に描かれており、飲食物を容れる袋であることが分かる。
大腸・小腸が管であるに対して、胃が袋であることの意味は、受納と腐熟が主な機能であるためである。さらには、袋であるため和降の失調を来しやすいことも理解される。
また六腑はすべて和降するが、腑の始めである胃の腑の和降作用が失調すると、他の部の全てが失調する。
a.艮・山
艮卦の意味するところは、止まるである。胃は受納した飲食物を腐熟させるために、一旦留めおく必要があることを示している。従って、嘔吐・宿食・呑酸など停滞する胃の病症がより現れやすくなる。
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