【二六〇条】
傷寒七八日、身黄如橘子色、小便不利、腹微滿者、茵蔯蒿湯主之。四十二(用前第二十三方)。
傷寒七、八日、身黄(おう)なること橘子(きっし)の色の如く、小便不利し、腹微滿する者は、茵蔯蒿湯之を主る。四十二(前の第二十三方を用う)。
傷寒に罹ってどのような経過をたどったのかは分かりませんが、7・8日が経過して裏に影響したのでしょう。
身体が橘の実のような色になり、小便もあまり出なくなり、お腹も微満するようになったのは、茵蔯蒿湯証であるということです。
橘の実とは、ミカン科の植物の実ですので、明るい黄色です。
つまり陽黄ですね。
ここで実証と判断できます。
小便も、あまり出ないのですが、条文にはありませんが濃く赤黄色です。
実熱証だからですね。
236条でありましたように、激しい口渇があります。
これは瘀熱によるものですね。
そして多く飲水した割に小便不利ですから、内熱と痰飲が結んで湿熱となり、お腹もまた微満するようになります。
加えて、汗が出たとしても首から上だけですので、肌表で湿熱がうっ滞するので発黄してしまうのですね。
筆者は、16歳にこの状態を経験していまして、非常に身体が重だるく、あっさりとした食べ物以外口に入りませんでした。
特に肉類は、臭いを嗅ぐだけで気分が悪かったのを記憶しています。
小便も濃い赤黄色でした。
重複するようですが、236条と併せて読んで頂ければと思います。
コメントを残す