【一六九条】
傷寒無大熱、口燥渴、心煩、背微惡寒者、白虎加人參湯主之。三十一(用前方)。
傷寒、大熱無く、口燥(かわ)きて渴し、心煩し、背微惡寒する者は、白虎加人參湯之を主る。三十一(前方を用いる)。
この条文、168条の条文と併せて読むと、有益なことが見えてきます。
168条では、「熱結在裏、表裏倶熱、時時惡風」でした。
この条文では、「背微惡寒者」とありますので、168条より熱結が厳しく、内熱が表に達していないので微悪寒が現れていることが分かります。
脈は、浮き切らないか、浮いてはいても洪大に滑を兼ねるでしょう。
そして大いに煩と渇があるはずですね。
ここで「背微惡寒者」を以て表証がまだ解けていないと、誤診しないことが肝要ですね。
人参は、心下痞鞕を治すとありますので、この心下で熱結が厳しいことが見えて来ませんでしょうか。
当然、168条より心下の緊張度は高くなりますね。
あわせて、心下と肩背部とは、空間的に相関があることも分かります。
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