【六八】
發汗病不解、反惡寒者、虛故也。芍藥甘草附子湯主之。方三十一。
發汗するも病解(げ)せず、惡寒する者は、虚するが故なり。芍藥甘草附子湯(しゃくやくかんぞうぶしとう)之を主る。方三十一。
太陽病で発汗させたのでしょう。
ところが意に反して悪寒が依然として存在している状態です。
そしてこの状態は、裏が虚してしまったことによるのだから、芍薬甘草湯に炮附子を加えた証であると述べられています。
「不解」とは、桂枝が配されていませんので、表証は一旦解けたが病そのものは解けていないという意味ですね。
芍薬甘草湯証は、P51 29条にあるように脚が伸びなくなって引きつれている血虚の太陰病位の状態でした。
すこしまとめてみます。
甘草乾姜湯: 太陰病位の気虚。
芍薬甘草湯: 太陰病位の血虚。
芍薬甘草附子湯: 太陰病位の血虚+少陰病位の気虚 となります。
色々バリエーションがあるのですね。
ですから脚の引きつりと同時に冷えが存在し、小便不利だと想像できますね。
P47 20条の桂枝加附子湯によく似た症候ですので、復習してくださればと思います。
〔芍藥甘草附子湯方〕
芍藥 甘草(各三兩炙) 附子(一枚炮去皮破八片)
右三味、以水五升、煮取一升五合、去滓、分温三服。疑非仲景方。
芍藥 甘草(各三兩、炙る) 附子(一枚炮じて、皮を去り、八片を破る)
右三味、水五升を以て、煮て一升五合を取り、滓を去り、分かち温め三服す。疑うは仲景の方に非ず。
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