立冬を過ぎ、暦の上では冬が始まりましたね。
ここしばらく投稿をお休みさせて頂いていましたが、今回から改めて、充実の内容をお伝えいたします!
先日11/12に開催しました東洋基礎医学講座の活動報告です。
これまでにも何度か申し上げておりますように、「鍼道 一の会」の根幹は、易学に置いております。
かなり難解な学問でありますが、講師・受講者ともに根気よく学び続けております。
先頭を走っておられるのは、副代表の永松周二先生。
あの手この手を駆使して、いろんな角度から説いてくださっています。
今回、精神五臓論についての易学的観点からの解説は、とても興味深く拝聴いたしました。
形而上の概念をつかむのに、大きな示唆を与えて頂きました。
人がこの世に生まれて以後 重視される、脾胃を中心とした後天の元気。
それに対し、少し捉えにくいのが今現在生きている人間の先天の元気です。
先天は、無形から有形へと向かう過程を、水→火→木→金→土と表現します。
後天は、生じた形が完成に向かう過程を、木→火→土→金→水→・・・と表現します。
後天の元気の働きの裏で、先天の元気も同時に働いているのですね、当然ですが。
この形而上の先天の元気に、どのように働きかけるのか。
これは筆者金澤の課題となりました。
続いては、今回異例の「時事講義」。
「鍼道 一の会」会員専用サイト上では現在、鍼灸師のための『傷寒論解説』を行っています。
条文の意味を、ひとつひとつ解説しながら進めているのですが、今回の講座では会員の方からのご意見やご要望を聞かせて頂く時間を設けました。
加えて、そもそも湯液家のために著わされた『傷寒論』を、鍼灸治療に応用するにはどのように読み進めて行けばいいのか?など、改めて講義しました。
まずは常に太極を意識しながら、各条文の理解に努めていきましょう。
また、六経の【太陽病編】に、他経の病変が少なからず含まれている事の意味などについて、初学者のために稻垣先生が解説して下さいました。
稻垣先生の解説の仕方に、金澤も感心しながら聞いておりました。
午後からは「臓象学」
大阪医専 東洋医学部・鍼灸学科 教師 江見木綿子先生。
これまでの講義で、六臓六腑それぞれについての解説を終え、今回は再び太極に戻り、臓腑の気の働きを図を描いてみて感じ取るワークです。
江見先生は、ご自身が”腑に落ちた”感覚を大切にして講義されるので、会員の方にも伝わりやすく、イメージとしてつかみやすいと定評があります。
ここで、肝の臓の臓象図【右四葉・左三葉】
このアンバランスの意味することについて、金澤、永松、稻垣の三者を交え、それぞれ自分の考えを開示しました。
完全なる調和は、変化を生み出さないのです。
不調和であるからこそ変化が起こります。
これは身体に限ったことでなく、人格形成にも用いることが出来ますし、宇宙の概念にもつながります。
『鍼道 一の会』では、金澤、永松、稻垣の三者の視点=太極の定位が異なります。
いわば、混沌とした状態です。
不調和、そして不完全だからこそ、変化・創造・発展する。
なおかつ、その不調和を貫いている「一」を観るのです。
『鍼道 一の会』の理念でもあります。
筆者金澤にとって、大変楽しく、有意義に感じた時間でした。
次いで、稻垣学術部長による「東洋医学概論」。
いつもながら非常に理路整然と、まず太極から次第に細則へと流れるような講義。
今回は、学校教育で用いられている教科書内容の変更を取り上げ、免許保持者と学生、双方の認識すべき点なども交えての講義でした。
稻垣先生が作られた資料は、そのまま教科書として用いてもなんら遜色の無いものと感じました。
そしてトリはこの人、永松先生による「身体学」。
やはり、盛り上がりますねぇ。
『鍼道 一の会』では、術者の在り様を第一に重視します。
相手に触れる、その手には術者の在り様のすべてが現れます。
自分の心身の置き所を定め、抜力=力みを緩めて触れた瞬間から、相手から伝わってくるものが変化します。
そうして気の交流が始まることを、実感していただけたのではないでしょうか。
次回『鍼道 一の会』臨床医学講座は11月26日(日)。大阪・南森町の大阪医療技術学園専門学校の実技室をお借りして、開催させていただきます。
会員の方々には、追ってご連絡差し上げます。
『鍼道 一の会』は、年度途中の入会も受け付けております。
興味が湧いた、面白そう、ピン!と来た方、どうぞお問い合わせください。
お問い合わせは
『鍼道 一の会』 事務局 大上(おおがみ)まで
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