東洋医学の基本的な考えに、天人合一思想というものがあります。
天人合一の「天」とは大宇宙・大自然のことで、「人」とは小宇宙・小自然のこと。
自然界の気の動きや変化の法則は、それはそのまま人間にも当てはまるという考えです。
つまり人間をミクロコスモスと捉える思想です。
これ、日本神道も同じように考えますよね。
その天人合一思想を具体的に認識するために「三才」という捉え方があります。
「三才」とは、まず自然界を上下・天地の2部に分けます。
さらにその間に人を加え、天・人・地=上・中・下の3部にざっくり割って認識しようとする考えです。
そして天の気は下り、地の気は上り、天地陰陽の気の交流によって、我々が生きている人の部に、様々な価値が創造されると考えるのです。(下図をご覧ください)
この天人合一思想とは、実は易学の基本でもあるのです。
東洋哲学は、一貫してこれを元に展開され構築されているといっても過言ではないと思います。
ですから、医学だけでなく、養生学、処世術、帝王学(政治)、経済、天文地理と、あらゆる分野に応用されています。
下図は、『一の会』の基礎講座で用いたものです。
天は理想、地は現実。
理想と現実をいかに調和させ、より高次の段階に発展していくかを示しています。
人類は天地の間にあって、絶えず生成と消滅を繰り返しながら創造・変化・発展に向かっているのです。
そして天は剛で高くて施し、地は柔で卑(ひく)くして生みだす。
これ天道に適った政治が行われれば(=天)、庶民(=地)は施しを受けてしっかりと働き、実りを得て大いに喜び、為政者はますます安泰となり国は栄える。
帝王学では、このように考えるようですね。
自分自身を一国と見立てると、自分を治めることは国を治めることになりますね。
筆者にとっては、なかなかむつかしい問題であります。
空を見上げ、飛びたいと空想したことから飛行機は現実化し、早く移動したいと願ったから車として現実化したのですよね。電話などもそうですよね。
そして現実化したものによってさらに新たな理想と空想が生まれ、それがまた現実化する・・・その流れは一貫して創造・変化・発展です。
その間には多くの矛盾を生じますが、それがまた更なる進化へと繋がる。
このように観ると、宇宙の働き、人類ってすごいですよね。
さて、これを医学に応用するとすれば、どうしますかね・・・
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