前回のブログで、漢方薬は毒だと古典に記されていることをお伝えいたしました。
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大半の方は漢方薬は「身体にやさしい」あるいは「副作用が無い」というイメージをお持ちじゃないでしょうか。
これって多分ね、生姜(しょうきょう)や なつめの実(大棗=たいそう)、シナモン(桂皮=けいひ)など、身近な食材として使われている生薬が多々あるからじゃないかと思ってるのですが、どうなんでしょう。
甘草などは、しょう油などにも添加されていますしね。
膠飴(こうい)なんて、麦芽で作られたあめ玉。これ、香ばしくってあっさりとした甘さで美味しいです♪
さてさて漢方薬ってね、これらを他の生薬と配合することで、いかに有毒化させるか、これがポイントなんですよ。
ほんとに勉強すればするほど、よ~く考えられてるな~って感心してしまいます。
例えば丸薬を練る時に用いられるハチミツ。
ハチミツは、服用した薬を長く胃に止めて、効果をゆっくりと持続させることが目的なんです。
先ほどのあま~いあめ玉も、同じような目的で使います。
甘いものは、ゆるめて停滞させる性質があるんですよね。
だから急な痛みには、甘味が痛みを緩めてくれますし、同時に気の流れはゆっくりになります。
まっ、おだやかな鎮痛剤のようなものといったイメージでしょうか。
喉が激しく痛むときに、あめ玉なめると少し楽になるのはこの作用のためなんですね。
例えば、最近何となく胸元がつかえて食もあまり進まない。
ゲップすると食べたものの臭いがする、時々胸やけもするといった状況があるとします。(筆者もたまにあります)
これは食べたものが消化されずに、胃に停滞している状態です。
これを東洋医学では、「宿食」とか「食積」というのですが、このような時に甘味系の漢方薬を服用すると、もう最高ですね。
ちなみに、あめ玉の入っている小建中湯なんてどうでしょう。
苦しまれると思いますよ、な~んとも重苦しいモヤモヤ感が続いて、おそらく人によっては嘔吐するか下痢をするのではないかと思います。
まあちょっと皮肉っぽく書いてしまったかのようですが、病名や症状だけで漢方薬を服用すると、反って苦しむことになりかねませんので、ご注意ください。
漢方薬を服用するなら、ちゃんと顔の気色診て舌も診て、脉とお腹にふれて、漢方の診たてをしてもらわないと、危険です。当たり前のことなのですがね。
この当たり前のことが行われず、イメージだけが先行しているのは、いったいなぜなんでしょう。
漢方薬に限らず、薬は基本「毒」ですからね。毒だから効く。
今回は、比較的身近で安全?と感じられる生薬を例にちょっと書いてみました。
漢方は、じっくりじんわり効いてくる?
長く服用しないと効果が現れない?
まことしやかに、広く世間で流布している漢方薬のイメージだと思うのですが、実は一概にそうとも言えないのですよ。。
まだまだ・・・つづく
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