ブログ「鍼道 一の会」

3.太極陰陽の多面性・・・④ 平衡・循環

うっすらとしたピンクが、つつましい・・・

④ 平衡・循環

 陽は陰を求め、陰は陽を求め、互いに求め合って自ずから平衡をとろうとする。

 
 陰陽の消長は、平衡という性質があるがゆえに、循環するのである。

 人間もまた、陽=男と陰=女は互いに求め合い、陰陽交流の結果、男女の子供を生じる。

 
 さらに男女の子供もまた、互いに求め合い、延々と生死が循環・継続していく。 

 夏が酷暑であれば、冬は厳寒であるように、陰陽は、どちらか一方に傾いても(偏盛偏衰)、必ず全体として平衡を取ろうとする働きがある。

 船を例にすると、左右に揺れながら(消長=偏盛偏衰)しながらも元に戻ろうと平衡を保ち、まっすぐ目的地に到着する。

 人体の気血も同様に、日中は活動的になるので気が盛んとなり血を消耗する。

 夜間は鎮静化して気を鎮め血を補充し、朝は気血が最も平衡した状態である。図 5 

 
 従って、日中に活発に活動すれば、夜間は沈静に深く眠り、陰陽の平衡を保とうとする。図 6 
 
 
 

 このように平衡をとろうとする働きが正気=自然治癒力であり、生命の営みである。

 陰陽を用いて子供の成長を認識すると、まず陽が先行して伸び、平衡を取ろうとして陰があとから伸びてくることが分かる。

 
 そして女子21歳、男子24歳で陰陽の気が調和し、極まって身体の成長が止まるのである。(素問・上古天真論) 図 7 
 
 
 
 
 
 
 また加齢や何らかの原因で、気虚や血虚が元に復さない場合、平衡をとろうとするので太極陰陽の場が次第に小さくなり、次第に気血両虚となる。 図 8  
 
 
 
 
 
 
 
 自然界は、四季を通じて陰陽の平衡という性質を保ちながら、日中夜間・月の満ち欠けなど消長しながら循環を繰り返す。
 
 人もまたこれに応じて消長しながら循環を繰り返し、生命のある限り止まるところが無い。
 
 

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