燃えているようだが、なぜか落ち着く色合い |
② 可分・相対性
陰陽両義に分けた後、認識の必要度に応じて「陽中の陽」「陽中の陰」「陰中の陰」「陰中の陽」など必要に応じて分割し、理論上では無限に分割することが可能である。<図4>
図 4 |
表現を変えると、陰陽両儀に分けた陽には陰が、陰には陽がそれぞれ内包されていることである。
可分において留意すべきは「相対性」であり、その際何を軸として陰陽に分けているかである。
例をあげると:
一日を陰陽に分け、さらに分けると、昼は陽であり、夜は陰である。
さらに分けると正午は陽中の陽であり、朝夕は陽中の陰である。
午前0時は陰中の陰であり、日の出前と日没後は陰中の陽である。(相対性)
また、朝夕を軸として陰陽に分けると、朝は陰気が退き陽気が満ちてくるので陽、夕は陽気が退き陰気が満ちてくるので陰。(軸を変えて相対的)
さらに軸を変えて、日の出前と日没後に分けると、徐々に陰気が退く日の出前は陽、徐々に陰気が満ちてくる日没後は陰となる。(軸を変えて相対的)
一日を陰陽で分ける |
このように、分けようと思えばいくらでも分けることができる。(陰陽可分)
また軸の定位も必要に応じて自由に設定することができる。
さらに無限に陰陽を分けていく(可分性)を示したものが<図5>である。
図 5 |
認識の必要性に応じて千にも万にも分割できるが、最終的には全体性を維持するために、いつでも一に還元できる意識が大切である。
人体生理を例をにすると、物質と非物質、用と体という軸を用いて陰陽気血に分けると、気=陽を気虚と陽虚、血=血熱と血寒という相対性を軸にして分けることができる。
邪気も同様で、陽邪である熱邪と火邪の相対性では、熱邪=陽中陰、火邪=陽中陽。
陰邪である湿邪と水邪の相対性では、湿邪=陰中陽、水邪=陰中陰となる。
さらに、陽邪と陰邪が入り混じったものは、属性を意識してその邪気の性質を認識する。
例えば、陰邪と陽邪が合体した湿熱の邪の場合、湿邪は陰であるので重濁で粘滞、熱邪は亢進で動であるので、停滞して熱を帯びる・・・とイメージすると、腐敗を引き起こすイメージにつながり、炎症性の疾患の原因として認識することができる、などである。
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