ブログ「鍼道 一の会」

閑話 - 鍼ってなぜ効くの?

 

立春も過ぎ、公園に子供達も帰ってくる頃

 『鍼はなぜ効くか』

 単純で素朴な問いですが、調べてみると意外と明確にスパッと答えられているものが見当たらないんですよね。

 答えは、単純明快。

 鍼は、危険で有害だからです。

 


 鍼をしてもらうのが大好き、とおっしゃるうれしい方もいらっしゃいます。

 ところがです、ご本人の気持ちとは裏腹に、身体にとって鍼はとんでもなく有害と認識するのです。

 金属製でしかも先端が鋭利に尖っている鍼は、普通に考えても危険ですよね、しかも怖いとおっしゃる方も多数。

 
 だ・か・ら、効果が得られるのですよ。

 例えば指先に鍼を近づけるだけで、全身の気は危険を察知して指先に集まります。
 
 実際、鍼を近づけるだけで効果の得られる方も、たくさんいらっしゃいます。
 
 鍼は、『刺激』なんていう即物的なものじゃないんですよ。
 
 鍼は、気を動かす道具なんですよね。

 さらに鍼が身体に侵入すると、身体は鍼を有害なもの、異物と感じて排除しようとする当たり前といえば当たり前の反応が起きます。

 お灸も同じです。

 お灸は、火傷を負わせます。

 その身体に有害な火熱で気血は集まり、さらに火傷を修復するために、身体の気血は総動員されます。

 ちなみに当いおり鍼灸院では、灸点紙と呼ばれるごく小さな穴の開いた銀紙を敷いてお灸しますので、灸痕が残らないだけでなく、小さく軽い熱さを感じる程度で効果を得られる工夫をしています。

 このように有害な鍼と灸に対する身体の反応を、逆手にとってその人本来の在り様に戻そうとするのが、鍼灸術の面目とするところなんですね。

 
 我々鍼灸家にとって、鍼は効いて当然の道具です。
 
 鍼を用いて病が治らないのは、術者の診立てが間違っているか、技量が足りないためです。
 
 これ、いつも筆者が反省する所です。
 
 
 それはそうとして、『鍼はなぜ効くか』
 
 このことを理解し、鍼は気を動かす道具ということが理解できると、今度は虚実と補瀉の概念が重要となってくるのですね。
 
 虚実・補寫を外すと、もう東洋医学じゃなくなるってくらい、要というか東洋医学の治療家にとっては中心的課題です。
 
 虚実・補寫に関しては、過去ブログの動画の中で少し触れていますので、よろしかったらご覧ください。
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 鍼道 一の会

 

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