今回は3月3日、弥生の節句について川村淳子先生が、内経医学の自然と人間との関りという視点から講義してくださいました。
3月3日といえば、女の子のお祭り・ひな祭りがピンと来られる方も多いと思います。
元々は紀元前300年頃、中国で行われていた「上巳節(じょうしせつ)」が起源だそうで、これが遣唐使によって日本にもたらされ、元々日本にあった「祓いの神事」と結びついたのだそうです。
祓いの神事には、皆様もご存じのように草・藁・紙を用いた人形を身体にこすりつけて厄を祓うということが行われていました。
これが起源となって現在のお雛祭りへと発展していったのだそうです。
このお雛様、男女が座る場所は左右のどちらなのか。
ここから陰陽論、そして黄帝内経・素問の四気調神大論や生気通天論の世界とオーバーラップしてきます。
男女は南を向いて座る訳ですが、太陽の昇る東が陽で男性が座り、太陽が沈む西に女性が座ります。
西洋はなぜかこの逆で、近代においては来賓国事の関係から西洋式に男女が座るようになったそうです。
またこの弥生の節句の時期に吹く春一番は、強い東南からの風で急激な気温上昇となります。(順風)
そしてその後に、北西から吹いてくる寒のもどりによって急激に気温が下がります。(逆風)
このような急激な気温変化で体調を崩す人が多かったのでしょう。食べ物にもいろんな意味合いと工夫がされていたようです。
東洋医学的にも、気の浮沈に従って動く邪気ですね。これは冬の間に潜んでいたものが表に出てくるのですね。
現代病である花粉症や、春に悪化する喘息やアトピー性皮膚炎などは、この自然界の気候変化と密接な関係があります。
この講義では、楽しみながら一般教養の内容を学びつつ、内経医学の病理観も学べるという、一石二鳥となるものでした。
第六回 基礎医学講座 リモート講義
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