四診といえば、望んで、聞いて、問うて、触れてと、いわゆる望・聞・問・切の事だとは、おおよそこの業界の人であるなら、だれでもが知りえていることだと思います。
この四診の目的は何か?
最終的には、証を決定して補瀉に集約していく手順であることは、周知のとおりです。
では気の医学として観た場合はどうでしょう。
術者と患者は、生命をたずさえた人間同士です。
一連の行為は、ふたつの生命の間を流れる「気」の交流です。
四診は、単に情報収集のためにのみ行うものではなく、患者と治療者の気の交流を通じて、徐々に心理的距離を縮める手順だともいえるのではないでしょうか。
これは何も医学の世界だけでなく、日常生活で人と人との出会いの場合も同じではないでしょうか。
おおよそ初めて治療所に訪れる患者は、期待と不安がないまぜになっているものです。
術者自身が、医療機関を受診した時を振り返って頂けたらと思います。
この四診を通じて、術者と患者との間に、安心と信頼を構築することこそが、四診の第一義だと「鍼道 一の会」では位置付けています。
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