春陽の気に満ち溢れるような3月3日、「鍼道 一の会」2018年度の締めくくりとなる特別講座を開催しました。
今回は、代表である金澤が担当させていただきました。
テーマは「問診と弁証」です。
すでに臨床医学講座では問診について一通りの解説および実践を行って参りましたが、今回は「耳閉・耳鳴り」の症例を提示して、参加者のみなさまと一緒に四診から病理機序を導き、治療方針決定に至る過程を一緒にたどりました。
問診は、いわゆる「医療アンケート」ではなく、証を決定するために必要な情報を引き出すための問いかけです。
問診に必要とされるのは、基礎医学を熟知していることは言うまでもなく、
・相手の話を聞きながら
・同時に病理機序の流れを組み立てる
という、智力と洞察力などの総合力です。
午前中に、問診のキモになる所をざっと解説し、午後から具体的に医案記録表(カルテ)を開示して、どのように問診を進めて治療につなげていったのかを解説しました。
皆様にお伝えしたことは<耳閉・耳鳴りの治し方>ではありません。
気血・病邪・臓腑など、身体全体の時空的偏在を捉え、調えていくと、症状や病名にとらわれることなく、患者さんの生命力=自然治癒力が最大限に発揮され、自然に治ってしまうのだということです。
いうなれば、治療の目標は病気を治すことではなく、患者さんに元々具わっている生命力をいかんなく発揮できる状態に導くことです。
病気が治るのは、その結果に過ぎないということです。
「鍼道 一の会」では、そのように考えています。
講義終了後は、臨床実技。
いつもながらみなさま、生き生きされてます。
今回、初めて参加してくださった先生は、一本の鍼でこんなにも生体が変化するのかと、大変驚いておられました。
受講生の皆さんは、もうお分かりですね。
鍼術が上達するには、いくつかのポイントがあります。
- 刺鍼前に、見るべきところをしっかりと見ておく。
- 必ず、意図的に鍼をする。⇒なぜここに鍼をするのか、何を期待して何を目標に鍼をするのかを、術者の中で明確にしておく。
- 刺鍼後に、意図したとおりに気が動いたか否か、を確認する。
- 術者の意図と異なった動きをした場合、なぜそうなったのかを振り返る材料を持ち得ている。
これを繰り返すことにより、今まで観えなかったものが次第に観えてくるようになります。
これは黄金律ですよっ。
そして2018年度の最終回にあたり、金澤、永松、稻垣の三名で今期の振り返りを致しました。
振り返るとあっという間の一年でしたが、みなさましっかりとついて来てくださいました。
来期からは永松副代表は相談役に退き、縁の下からグッと若手を支えてくださいます。
また、これまで永松先生がご指導くださってました「治療家のための身体学」は、
長年 体育畑を歩いてこられ、体育教師でもありました尾関克哉 先生が担当してくださいます。
来期『鍼道 一の会』東洋医学講座は、従来の内容に加え、弁証トレーニングなどの より臨床実践的な講義を充実させて参ります。
伝統鍼灸にご興味のある方、ぜひ一度足をお運び頂いて、会の「気」を感じてください。
受講生の皆様、一年間ありがとうございました。
また4月にお会いできることを楽しみにしております!
2019年度『鍼道 一の会』東洋基礎医学講座(第1回)は4月21日、臨床医学講座(第1回)は4月28日です。
『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。
ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。
お問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで
詳細はこちらへ↓
2019年度の募集要項はこちらです↓
最後になりましたが、会場をお貸しくださいました 大阪医療技術学園専門学校 関係者の皆様、本日もありがとうございました。
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