二十四節気では「小雪」に入り、朝晩の冷え込みに冬の到来を感じるようになって参りましたね。
そんな中、爽やかに晴れわたりました11月25日、いつもの大阪医療技術学園専門学校 の教室をお借りして、今期第8回目の「鍼道 一の会」臨床医学講座を開催いたしました。
午前の時事講義は、代表である筆者金澤が座長を務めまして、参加者のみなさまと一緒に「感情」について、ディスカッションさせて頂きました。
感情は、人が伸び伸び・生き生きと生きて行くためには、欠かすことのできないものです。
幼い子どもは、何物にもとらわれず自由に喜怒哀楽を表現していますね。
これに「制限」が加わると、気が堰き止められて停滞を起こし、ひいては万病を生じることになります。
感情を発しますと、大きく気が動きます。そしてその影響は周囲にも及びます。
感情の大きなエネルギーは、自分だけでなく他人をも動かす力を持ちます。あるいは関係性を破壊する力も内包しています。
自分の持つ この大きなエネルギーに、多くの人が恐れを抱くのも当然と言えましょう。
東洋医学では、感情を怒・喜・思・悲・憂・驚・恐の七種類に分けて(七情)、それぞれの気の動きを捉えます。
七情は、五臓の気そのものでもありますから、臓腑機能とも密接な関係にあります。
ゆえに感情の過不足は、腹診や背診にも表現されます。それらを読み取り、治療に生かしていくのです。
また、感情の過不足は病の原因に大いに関係するのですが、中医学的な弁証論治では認識不足のように感じています。
例えば「肝鬱気滞」と言っても、鬱している中身は「怒り」とは限りません。
また、肺気で肝気を抑え込んでいる場合もありますので、治療の目標が肝とは限りません。
そこには、鬱して気滞としなければならない、その人その人なりの様々な要因があります。
神気を動かさなければならない場合もあります。
ディスカッションでは、参加者おひとりおひとりの”感情の取り扱い方”、またその治め方を開示して頂きました。
みなさん、自分の心に生じる感情を「気」=心のエネルギーとして感じておられました。
幼児のように自由に表現することはできなくとも、自分にとっても相手にとっても有益となる感情の発露を探る。これも治療者としてのレベルアップにつながります。
近未来には、七情の取り扱いとその処方箋が出来上がると思います。
みなさま、どうぞご期待を!
そして午後からの臨床実技。
ペアを組んで、お互いに診察から治療まで行います。
今回は、望診術に七情診を加えました。
顔面の気色診も大切ですが、表情の奥に在るその人の今現在の「思い」を汲み取ろうとする視点を入れてみました。
ベットに横たわると肝腎が弛みますので、立位では伺えないものが観えてきます。
筆者は、学生の稲垣くんと一緒に気を読んだのですが、主観的であっても、互いに通じる感覚を得てもらえたのではないかと感じています。
私事ですがこの日、筆者金澤は疲労困憊しておりまして、絶不調。
学生の岡田君を指名して治療してもらうことに。
(こうやって自分の写真を見ますと、なんだか死体のようですねぇ~ 笑)
江見先生に見守られながら、彼なりに一生懸命切診して、考えに考えて右列欠瀉法、左照海補法して頂きました。
よ~く効きました♪ ありがとうね。
そして副代表の永松先生も体調不良のため患者役に。
治療に当たった永濱先生、緊張されたのでは・・・
患者役の古賀先生をみつめる岩下先生の温かいまなざし。
(筆者もモデルになりたい!と感じてしまいました。)
ベテランの尾関先生。いつも何かに挑戦している姿が、とてもかっこいいです。
学生の岡田君。鍼の面白さ、楽しさにどうやら目覚めたようです。
最初の入り口は困難でも、一旦分かり始めるとグンと楽しくなりますよ。
来月12月の臨床医学講座の時事講義は「呼吸法」をテーマに、金澤が担当いたします。
目標は、「自身に内在する神を自覚する」です。
我々一人一人に具えられた”神”を、呼吸法を通じて参加者のみなさまに実感して頂く予定ですので、ぜひ楽しみにしていらしてくださいね。
皆様、お疲れさまでした。
そして会場をお貸しくださいました 大阪医療技術学園専門学校 関係者の皆様、本日もありがとうございました。
次回『鍼道 一の会』東洋基礎医学講座は12月2日、臨床医学講座は12月16日です。
『鍼道 一の会』は、自由自在に気を扱える、プロの鍼灸治療家を目指す集団です。
ご興味のある方は是非、『場の気』を感じにお越しください。
『鍼道 一の会』についてのお問い合わせは、事務局 大上(おおがみ)まで
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