【三五三条】
大汗出、熱不去、内拘急、四肢疼、又下利厥逆而惡寒者、四逆湯主之。方五。
大いに汗出で、熱去さらず、内拘急(こうきゅう)し、四肢疼(いた)み、又下利厥逆し惡寒する者は、四逆湯之を主る。方五。
自ずと大いに汗がでたのか、発汗させたのかは不明です。
それにもかかわらず熱が下がらない。
内拘急とは、腹部の緊張でしかも四肢が疼いている。
もしくは下痢をして厥冷して悪寒する場合もあるのは、四逆湯証であるというとでしょう。
【三五四条】
大汗、若大下利而厥冷者、四逆湯主之。六(用前第五方)。
大いに汗し、若しくは大いに下利して厥冷する者は、四逆湯之を主る。六(前の第五方を用う)。
同じように大いに発汗した後、場合によっては陽明だったのでしょうか、大いに下したところ四肢が厥冷するようになった。
これは四逆湯証である、ということですね。
この353条と354条が、なぜ厥陰病篇に記載されているのか、もう一つ判然としません。
【三五五条】
病人手足厥冷、脉乍緊者、邪結在胸中、心下滿而煩、飢不能食者、病在胸中、當須吐之、宜瓜蔕散。方七。
病人手足厥冷し、脉乍(たちま)ち緊の者は、邪結んで胸中に在り、心下滿して煩し、飢(う)ゆれども食すること能わざる者は、病胸中に在り。當に須(すべから)く之を吐すべし。瓜蔕散(かていさん)宜。方七。
瓜蒂散証にも四肢厥冷が現れるのですね。おそらく、心下に熱痰が塞がったのだろうとすぐに気が付くと思います。
四肢の厥冷とほぼ同時に脈も緊となるのでしょう。
邪が胸中に結ぶとありますが、心下満とありますので、ここが邪実の本体が存在しているところですね。
胃中が空っぽであっても、胃口で熱鍛が塞がっていれば、お腹は空いていても食べることが出来ないのも当然ですね。
瓜蒂散証については、すでに述べていますので省略いたします。
今回は、これまで。
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