ブログ「鍼道 一の会」

196.厥陰病 353条~355条 四逆湯 瓜蒂散

【三五三条】

大汗出、熱不去、内拘急、四肢疼、又下利厥逆而惡寒者、四逆湯主之。方五。

大いに汗出で、熱去さらず、内拘急(こうきゅう)し、四肢疼(いた)み、又下利厥逆し惡寒する者は、四逆湯之を主る。方五。

 自ずと大いに汗がでたのか、発汗させたのかは不明です。

 それにもかかわらず熱が下がらない。

 内拘急とは、腹部の緊張でしかも四肢が疼いている。

 もしくは下痢をして厥冷して悪寒する場合もあるのは、四逆湯証であるというとでしょう。 

 

【三五四条】

大汗、若大下利而厥冷者、四逆湯主之。六(用前第五方)。

大いに汗し、若しくは大いに下利して厥冷する者は、四逆湯之を主る。六(前の第五方を用う)。

  同じように大いに発汗した後、場合によっては陽明だったのでしょうか、大いに下したところ四肢が厥冷するようになった。

 これは四逆湯証である、ということですね。

 

 この353条と354条が、なぜ厥陰病篇に記載されているのか、もう一つ判然としません。

【三五五条】

病人手足厥冷、脉乍緊者、邪結在胸中、心下滿而煩、飢不能食者、病在胸中、當須吐之、宜瓜蔕散。方七。

病人手足厥冷し、脉乍(たちま)ち緊の者は、邪結んで胸中に在り、心下滿して煩し、飢(う)ゆれども食すること能わざる者は、病胸中に在り。當に須(すべから)く之を吐すべし。瓜蔕散(かていさん)宜。方七。

 瓜蒂散証にも四肢厥冷が現れるのですね。おそらく、心下に熱痰が塞がったのだろうとすぐに気が付くと思います。

 四肢の厥冷とほぼ同時に脈も緊となるのでしょう。

 邪が胸中に結ぶとありますが、心下満とありますので、ここが邪実の本体が存在しているところですね。

 胃中が空っぽであっても、胃口で熱鍛が塞がっていれば、お腹は空いていても食べることが出来ないのも当然ですね。

 瓜蒂散証については、すでに述べていますので省略いたします。

 今回は、これまで。

 119.太陽病(下)166条 瓜蒂散

 

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