【三二〇条】
少陰病、得之二三日、口燥咽乾者、急下之、宜大承氣湯。方十九。
少陰病、之を得て二、三日、口燥(かわ)き咽(のど)乾く者は、急に之を下す。大承氣湯に宜し。方十九。
少陰病となって2・3日後に、口と咽が乾いてくるようだと、大承気湯で急いで下しなさいという意味ですね。
少陰病で、大承気湯証になるものなのでしょうか。
大塚敬節は、大承気湯と四逆湯は全く反対の薬方であるが、病人の上には紙一重の差として現れることがあると述べています。
もし、そうであるならば、どのような病理機序で生じるのでしょうか。
少陰病を腎陽虚衰と理解していたら、考えにくいことだと思います。
少陰病は、はびこった水が腎陽を阻んで虚寒症状を現していると考えるなら、この病態は考えられなくもないと思います。
つまり水に阻まれた陽気が鬱して熱化し、一転して燥屎を形成して大承気湯証となると。
大塚敬節は、朝に大承気湯、夕に四逆湯を用いなければならない場合があると述べていますが、筆者には、臨床経験が無いのでこのようなケースがあるのだと記憶するに止めておきます。
図は、大承気湯証と四逆湯証を並べてみました。
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