〔黄連阿膠湯方〕
黄連(四兩) 黄芩(二兩) 芍藥(二兩) 雞子黄(二枚) 阿膠(三兩一云三挺)
右五味、以水六升、先煮三物、取二升、去滓。内膠烊盡、小冷。内雞子黄、攪令相得。温服七合、日三服。
黄連(四兩) 黄芩(二兩) 芍藥(二兩) 雞子黄(けいしおう)(二枚) 阿膠(三兩、一に三挺(さんてい)と云(い)う)
右五味、水六升を以て、先ず三物を煮て、二升を取り、滓を去る。膠を内れて烊盡(ようじん)し、小(すこ)しく冷やす。雞子黄(けいしおう)を内れ、攪(ま)ぜて相(あ)い得(え)せしむ。七合を温服し、日に三服す。
今回初めて登場したのは、鶏子黄(卵黄)です。
中薬学に記載が無く、色々と調べてみたのですが「心腎滋補・交通」として用いられているようです。
田畑隆一良著<薬徴・源草社>では、「血気を和緩し煩を治し、心中の煩を治す」とあります。
<新古方薬嚢>では、「熱を鎮め煩を去るの効あるようなり。」とありますので、滋陰の薬能があるようです。
黄連は、心中煩悸を主る。
黄芩は、心下痞を主治す。 なんとなく、大黄黄連瀉心湯が思い起こされます。
芍薬は、結実して拘攣するを主治する。
阿膠は、<新古方薬嚢>では、「肌肉の傷れを治し急を緩むることを主る。故に出血を止どめ煩を去る。」と記されています。
以上をざっくりとみると、黄連黄芩は清熱。芍薬、鶏子黄、阿膠は滋陰といった感じでしょうか。
鍼に応用するには、もう少し病態を明確にしたいものです。
次回は、どのような病態にこの黄連阿膠湯が使われているのかをさらに追いかけてみたいと思います。
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