【二四八条】
太陽病三日、發汗不解、蒸蒸發熱者、屬胃也、調胃承氣湯主之。三十二(用前第一方)。
太陽病三日、發汗して解せず、蒸蒸(じょうじょう)として發熱する者は、胃に屬するなり。調胃承氣湯之を主る。三十二(前の第一方を用う)。
【二四九条】
傷寒吐後、腹脹滿者、與調胃承氣湯。三十三(用前第一方)。
傷寒、吐して後、腹脹滿する者は、調胃承氣湯を與う。三十三(前の第一方を用う)。
248条と249条は、併せて理解するのが良いと思います。
248条は、太陽病に罹って三日が経過し、発汗したのだけれども表証が解けないということではなく、病は解けないと理解することが出来ます。
蒸蒸と発熱するのですから、それこそ文字通り身体内部から蒸し上がるように発熱するのでしょう。
この際、悪寒などは無いはずです。
70条の条文にある「但熱者」に相当すると考えられます。
そして249条も同じく、一旦表証が解けて腹が脹滿する場合があることを述べています。
脹滿といえば虚満のイメージですので、むしろ実満・腹満とした方がぴったりとくるのですがいかがでしょう。
調胃承気湯証なので、まだ燥屎も形成されていないので讝語も無く、潮熱も無いことが分かります。
太陽病に罹り、発汗・吐下の後にこのような証が現れて苦しみだすのは、素体として宿食傾向にあったのでしょうね。
250条・251条は、原文と読み下し文のみの記載です。
【二五〇条】
太陽病、若吐、若下、若發汗後、微煩、小便數、大便因鞕者、與小承氣湯、和之愈。三十四(用前第二方)。
太陽病、若(も)しくは吐し、若しくは下し、若しくは汗を發して後、微煩(びはん)、小便數、大便因りて鞕き者は、小承氣湯を與え之を和すれば愈ゆ。三十四(前の第二方を用う)。
【二五一条】
得病二三日、脉弱、無太陽柴胡證、煩躁、心下鞕。至四五日、雖能食、以小承氣湯、少少與、微和之、令小安。至六日、與承氣湯一升。若不大便六七日、小便少者、雖不受食(一云不大便)、但初頭鞕、後必溏、未定成鞕、攻之必溏。須小便利、屎定鞕、乃可攻之、宜大承氣湯。三十五(用前第二方)。
病を得て二、三日、脉弱、太陽柴胡の證無く、煩躁し、心下鞕し。四、五日に至り、能(よ)く食すと雖も、小承氣湯を以て、少少與えて微(すこ)しく之を和し、小(すこ)しく安からしむ。六日に至らば、承氣湯一升を與う。若し大便せざること六、七日、小便少なき者は、食を受けずと雖も(一云不大便)、但だ初頭鞕く、後必ず溏し、未だ定まりて鞕を成さず。之を攻むれば必ず溏す。小便利し、屎(し)定まり鞕きを須(ま)ちて、乃ち之を攻むべし。大承氣湯に宜し。三十五(前の第二方を用う)。
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