【二〇七条】
陽明病、不吐、不下、心煩者、可與調胃承氣湯。方一。
陽明病、吐さず、下さず、心煩する者は、調胃承氣湯を與うべし。方一。
この条文は、前回180条を加味して読んで頂ければと思います。
吐かない=少陽病ではない、下痢しない=少陰病でもない、そして胃家実で心煩が現れたら、調胃承気湯証ですよと述べています。
ちなみに、心煩は小柴胡湯証や猪苓湯にも現れます。
また梔子豉湯の心煩は、吐下の後に現れているので、虚煩でした。
この条文は、やはり他の証と鑑別することを暗に求めているのだと思います。
調胃承気湯の方意に関しては、下記過去ブログですでに述べていますので、復習しておいて下さればと思います。
〔調胃承氣湯方〕
甘草(二兩炙) 芒消(半升) 大黄(四兩清酒洗)
右三味、切、以水三升、煮二物至一升、去滓、内芒消。更上微火一二沸、温頓服之、以調胃氣。
甘草(二兩、炙る) 芒消(半升) 大黄(四兩、清酒もて洗う)
右三味、切り、水三升を以て、二物を煮て一升に至り、滓を去り、芒消を内れ。更に微火(びか)に上(の)せて一、二沸し、温めて之を頓服し、以て胃氣を調う。
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