【一六五条】
傷寒發熱、汗出不解、心中痞鞕、嘔吐而下利者、大柴胡湯主之。二十七(用前第四方)。
傷寒發熱、汗出でて解せず、心中痞鞕し、嘔吐して下利する者は、大柴胡湯之を主る。二十七(前の第四方を用う)。
傷寒に罹って発熱、自汗したけれど表証が解けない。
そればかりか心中が痞鞕して嘔吐と下利が現れた場合は、大柴胡湯証であるということですね。
傷寒から少陽病に移行した病態なのは理解できるのですが、心中痞鞕はどこを切診すれば良いのか不明です。
腹証奇覧翼の図を観ますと、心下痞鞕の部位が胸にまで及んでいることが分かります。
心下痞鞕と言えば、人参が主冶するところですが、大柴胡湯には配されていません。
この場合の心下痞鞕は少陽枢機が激しくうっ滞しているケースで、しかもすでに下利しています。
従って大柴胡湯去大黄で、場合によっては枳実や柴胡をさらに倍加しても良いかもしれません。
この辺りは、自在に加減できるように病理を把握しておけば良いと思います。
大柴胡湯証については、過去ブログで詳細に述べていますので、下記リンクで復習してくださればと思います。
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