【一五六条】
本以下之、故心下痞、與瀉心湯。痞不解、其人渴而口燥煩、小便不利者、五苓散主之。十九(用前第七證方)。一方云、忍之一日乃愈。
本(もと)之を下すを以ての故に、心下痞す。瀉心湯(しゃしんとう)を與うれども、痞解(げ)せず、其の人渴して口燥(かわ)き煩し、小便不利する者は、五苓散之を主る。十九(前の第七證方を用う)。一方に云(い)う、之を忍ぶこと一日にして乃ち愈ゆと。
前回同様、本条も153条の「太陽病、醫發汗、遂發熱、惡寒。因復下之、心下痞。」を冒頭につなげてみてください。
心下痞となって、大黄黄連湯を与えてさらに清熱して下したにも関わらず、心下痞が解けないどころか口渇があらわれ、口内も乾燥する上に煩まで現れ、小便も不利となっています。
このような場合、一旦湿熱と胸中煩悸は除かれているのですから、口渇を生じている熱源は異なる病理で生じていることになります。
五苓散は、胃内停水があり、臍上・臍下付近で水と熱が結ばれているのでした。
ですから、熱を冷まそうとして飲んだ水が熱源に届かないので多飲となるのでしたね。
五苓散に関しては、過去ブログ
67.太陽病(中)71~75条 五苓散 を参照してください。
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